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中央ニュース

2023/07/26

3水系の洪水ピーク流量 最大2割増しへ

 国土交通省は、大野川(大分県)、小丸川(宮崎県)、吉井川(岡山県)の河川整備基本方針の見直しで、洪水(基本高水)のピーク流量を最大2割増しにする変更案をまとめた。新たなピーク流量は大野川が1万3500立方b(現計画比22・7%増)、小丸川が6800立方b(19・3%増)、吉井川が1万1600立方b(5・5%増)。ピーク流量は、洪水調節施設と河道施設で抑える。今後、社会資本整備審議会河川分科会での議論を踏まえ、新たな基本方針を策定した上で、河川整備計画に落とし込んでいくことになる。
 それぞれのピーク流量は、大野川で洪水調節施設に2400立方b、河道施設に1万1100立方b、小丸川で洪水調節施設に1700立方b、河道施設に5100立方b、吉井川で洪水調節施設に2900立方b、河道施設に8700立方bを配分し抑える=表参照。
 洪水調節施設では、既存ダムの再生、利水ダムの事前放流による機能強化、新たな洪水調節施設整備などでピーク流量を抑える。
 河道施設では、沿川の土地利用状況とまちづくりの動向を踏まえ、川幅、計画高水位のチェック、環境への配慮を踏まえた河床掘削で対応することなどを想定している。
 環境保全への対応に関しては、3水系いずれも、最上流部から河口部までの流域区間ごとに保全すべき生物の繁殖環境などを盛り込んだ。新たな学術的見地も取り入れ、自然環境の保全・創出を図ることとした。大野川では絶滅危惧種のソボサンショウウオなど、小丸川ではサクラマス、オグラコウホネなど、吉井川では、国の天然記念物となるアユモドキなどの繁殖環境の保全に取り組む。
 変更案は7月24日に河川整備基本方針検討小委員会で審議した。3水系では、現行の河川整備基本方針の策定後に、台風などによる洪水が発生し、基本方針に定める目標を上回る洪水流量を記録。気候変動による降雨量の増加などを考慮した治水計画に見直す。

提供:建通新聞社