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2023/07/27

下請取引実態調査 適正な休暇、価格転嫁へ

 国土交通省は、2023年度の「下請取引等実態調査」で、休暇形態や価格転嫁、工期の設定などが適正に行われているかを把握する。7月26日に、全国の建設業許可業者1万2000者に対し調査票を発送した。9月8日までに回答を求め、法令違反が判明した場合には指導・立ち入り検査などを行う。昨年の調査から質問項目に変更はない。
 調査は、建設工事の下請け取引を適正化するため、1979年度から中小企業庁と共同で実施している。調査対象は、無作為で抽出した建設業許可業者で、23年度は大臣許可業者1500者、知事許可業者1万0500者に調査票を送った。法令違反行為をしている許可業者には、指導票を送付して是正措置を求める。未回答や、虚偽報告を行った場合には立ち入り検査の対象にもなる。
 調査対象の許可業者には、休暇形態をはじめ、価格転嫁や工期設定の状況、下請けとの見積もりの方法、下請け契約の締結方法、発注者から元請けへのしわ寄せの状況、約束手形の期間短縮や電子化の状況などを聞く=主な調査内容は表参照。
 休暇形態については、調査対象企業に対して、雇用する技能者に採用している休暇形態を「4週8休」から「4週3休以下」までの六つの選択肢を用意し選んでもらう。
 適正な下請け取引に向けて国交省は、特に「適正な手順を経た契約の締結が重要」とする呼び掛けを強めている。元請けには、法定福利費相当額を内訳明示した見積書を提出するよう下請けに働き掛けるとともに、提出された見積書を尊重するよう要請。下請けに対しては、法定福利費と労務費を内訳明示した見積書の提出を促している。
 今回の調査では、インボイスについての実態把握も引き続き実施する。元請けが下請けに見積もりを依頼する際、下請けが課税事業者か免税事業者かの確認を元請けが行っているかを調べる。
 国交省の担当者は「調査で意識してもらうことで、10月から始まるインボイス制度にうまく備えてほしい」としている。
 また、期限を過ぎても調査票の提出がない場合は、10月までの回収をめどに督促。法令違反を行っている建設業者に対しては、年内をめどに指導票を送付する。調査結果の公表は24年1月になる見通し。

提供:建通新聞社