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2023/08/08

建設トップランナーフォーラム「#戦略的広報のすゝめ」B

 帯広二建会の萩原一宏代表幹事は、北海道の道東地区で昨年開催した「コンストラクション甲子園」について紹介した。建設業に特化した高校生向けのクイズ大会だ。
 「各社が現場見学会や出前講座などでPRに苦心する中、慢性的な採用難の解決につながる新しい試み」として企画した。金融業界のエコノミクス甲子園を参考に「楽しく」、「面白く」建設業に接してもらうことをコンセプトに掲げた。
 出場は2人1組。帯広、釧路、オホーツクの3会場で地方予選を開き、建設や防災に関する筆記試験、○×クイズ、パネルクイズに回答してもらった。上位2チームが決勝への出場権を獲得した。
 決勝では、○×クイズやパネルクイズに加え、実技にも挑戦してもらった。太さ1・6_のパスタを使って作る「マシュマロタワー」で高さを、パスタで橋を作る「パスタブリッジ」ではどこまでの重量に耐えられるかを競い合った。
 実技試験について事前に内容を周知したところ「出場者が設計図を書いて臨んできた。これには感動した」。マシュマロタワーでは「非公式だがギネス記録を抜く」快挙も飛び出した。結果は盛況に終わり、優勝した釧路高専の女性チーム「すあま隊」が副賞の沖縄旅行を射止めた。
 「新聞各社にも取り上げてもらい、地元でも大きな反響があった」が、出場者を対象に実施したアンケートで、検討中を含め5割以上が建設業への就職を考えているとの回答を得たことが嬉しかった。
 「振り返ってみると、良かったのは、高校生に建設業への理解を楽しく深めてもらえたことに尽きる。大変だったのは出場者の募集。最初はSNSを使って発信したが応募がなく、新聞広告でも効果がなかった」。
 そこで、直接高校を回って先生の協力を得たことが功を奏した。「協賛金集めや、200問を用意した問題作成にも苦労した」が、会場で高校生が熱心に楽しみながら学ぶ姿を見たとき、その苦労は達成感に変わった。
 出場者の7割は普通科高校。理数系や工業系の大学に進んで建設業に就職する可能性もある。「出場した高校生が将来、建設業に従事してくれることを期待しているし、その結果が出るまで続けていきたい」と見据える。イベントの開催が建設業の啓もうに繋がるとの手応えを確実に感じている。
 ことしは昨年よりも規模を拡大して開催する。地方予選は10月15日に帯広、釧路、オホーツク、旭川の計7会場で開く。決勝は12月9日に札幌で行う予定だ。
 「コンストラクション甲子園を通して建設業に興味を持ち、建設業で働くきっかけとなることを目指していきたい」と意気込む。
(地方建設専門紙の会・北海道建設新聞社)