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2023/08/31

CCUSカードリーダー より安価に提供

 国土交通省は、建設キャリアアップシステム(CCUS)の就業履歴登録アプリ「建レコ」をバージョンアップし、より安価なカードリーダーを使えるようにした。これまでは1万〜3万円の価格帯のカードリーダーしか使えなかったが、最新の建レコアプリでは3500円程度のカードリーダーが使用できる。きょう8月31日からサービスの提供を始める。
 対象となるカードリーダは、SONYの「PaSoRi(パソリ)」のうち、最新型番となる「RC―S300/S」「RC―S300/S1」「RC―S300」の3タイプ。型番は異なるが性能は同じ。RC―S300は個人向けに市販されている。他の二つの型番は業務用となっている。価格は約3500円(税込み・送料別)。ショッピングサイトなどで購入できる。
 ただ、カードリーダーに一時的に就業履歴を保管するロギング機能には対応していない。このため現場に設置する際は、従来通り、パソコン(Windows版)への接続が必要になる。
 CCUSは7月末時点で登録技能者が124万人、登録事業者が23万社に上り、登録が進みつつある。一方で、就業履歴を蓄積していない元請け事業者の65%を資本金1000万〜5000万円の層で占めており、中小規模現場での就業履歴の蓄積促進に向けた取り組みが課題となっている。
 就業履歴の蓄積促進へ国交省は、市販の安価なカードリーダーへの対応の他、iPhoneでの就業履歴の蓄積や、CCUS新規登録事業者へのカードリーダーの無償貸与(建設業振興基金での継続事業)などに取り組んでいる。iPhoneでの就業履歴の蓄積については、これまでの調査結果を整理した上で、24年1月のシステムの供用開始を目指すとしている。
 また、CCUSは、24年4月から、原則として、CCUSの能力評価の実績年数に加算できる技能者の就業履歴が、CCUSに蓄積された就業履歴データのみとなる。CCUSを通した技能者の経験・技能レベルに応じた賃金の行き渡りへ、就業履歴の蓄積は不可欠で、国交省は、本年度を「CCUS能力評価躍進の年」と位置付け、業界と一体となって、就業履歴を蓄積できる環境整備などの取り組みを加速化するとしている。

提供:建通新聞社