トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2023/12/07

24年問題への対応 工期、書類など「確実な実行を」

 全国土木施工管理技士会連合会(JCM、奥野晴彦会長)は12月6日、建設業に2024年4月から適用される時間外労働の罰則付き上限規制への対応をテーマに国土交通省との意見交換会を開いた=写真。JCMは新制度による抜本的な解決は困難だとし、適正工期の設定や書類の簡素化といった従来の取り組みの「確実な実行」を求めた。
 奥野会長は冒頭、時間外労働規制について働き方改革の観点から「大変良いこと」と歓迎。その一方、天候不順や施工トラブルがある中で「本当に良いものをつくるには工夫が要る」と述べ、インフラDXの推進や残業規制対応に向けた活発な議論を求めた。
 国交省からは吉岡幹夫技監があいさつし、工事現場での週休2日の確保について「工期全体では良くても、月、週レベルでどうか。もっと高みを目指さなくては」と発言。工事書類のスリム化、共通化などの取り組みに意欲を示した。
 意見交換ではJCMが、▽適正な工期設定▽用地確保、関係者協議など発注前準備の確実な実施▽書類簡素化のさらなる推進▽ワンデーレスポンスの適切な運用▽設計図書と現場の不一致の解消▽出来高管理、品質管理での再確認の見直し―などを求めた。設計変更時の工期不足や、発注者が作成すべき書類の作成依頼、ワンデーレスポンスの形骸化といった現状が散見されるため、実施の徹底が有効だと伝えた。
 一方、市町村や民間企業ではこうした取り組みが進んでおらず「認識度に大きな課題が残っている」と指摘。国の先導による水平展開を要望した。
 インフラ分野のDX推進についても議論。JCMは、新たな技術に対して速やかに使用基準を整備するとともに、試験使用への後押しを求めた。
 また、BIM/CIM活用の原則化を受け、設計などの上流工程で作成したデータを適正に引き継ぎ、下流工程の省力化につなげる必要があるとした。
■ICTの活用例を共有
 JCMが検討している独自の取り組みも紹介。時間外労働の短縮につながるようなICT機器、ソフトを実際に活用した事例をまとめ、技術者向けに情報共有する仕組みを整えるとした。24年以降、具体例を募集し、まとめて発表したい考えだ。

提供:建通新聞社