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2023/12/12

高規格な道路網構築へ 地方「早期の指定を」

 国土交通省の社会資本整備審議会道路分科会国土幹線道路部会は12月11日、高規格道路ネットワークの構築に向けて各地方の小委員会で寄せられた有識者などの意見を共有した。地方ごとに作成した新広域道路交通計画に位置付けた道路について、「高規格道路」として早期に指定できるよう求める声や、人口減少による地方の活力の衰退を食い止めるため、速やかに事業化できる仕組みを求める意見があったことを報告した。
 国交省では、広域道路を「高規格幹線道路」「地域高規格道路」「その他広域道路」に区分する現行の計画を見直し、「高規格道路」と「一般広域道路」に再編することを検討。自動運転の実現や地域安全保障、交通モード間の連結強化などの役割を担わせることを盛り込んだ、「中間まとめ」を10月31日に公表していた。
 今回の会合では、中間まとめに対する地方からの意見を集約。継ぎ目のない道路網の構築に向け、地方ごとに作成した新広域道路交通計画に記載した高規格道路の早期指定を求める声があったことを紹介した。また、道路整備の早期事業化に向けて、地域が道路の必要性を示すようなプロセスの提案や、地元向けの情報発信の強化を求める意見もあった。
 物流の効率化、自動運転の活用促進に高規格道路網を生かすとの意見も多かった。暫定2車線区間を対象に、自動運転車による物流路線として1車線を追加するとの提案もあった。
 高規格道路の機能に安全保障の観点が加えられたことを受け、道路網の在り方の再検証を求める意見も出た。
 地域別の課題を見ると、北海道は食・観光を支える道路の維持発展に加え、地域の可能性を生かせるような道路の早期整備を求めた。東北地方は、秋田県沖の洋上風力発電のポテンシャルを生かすことを求めた。北陸地方は雪害などへの対応を課題として挙げ、災害に強いネットワーク強化を要望した。中国地方は港湾・空港との連携強化による周遊性向上が必要だとした。四国地方は暫定2車線区間が多いことを課題に挙げた。

提供:建通新聞社