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2023/12/14

BIM/CIM 課題はコスト・人材・機材

 国土交通省の調査によると、BIM/CIM活用工事の導入を検討している都道府県・政令市の8割以上の団体で、「コスト」「人材」「機材」といった課題を抱えていた。一方で、導入済みの団体では、こうした課題に対する工夫や、工夫から得られた成果を通して、メリットを実感しつつある団体が増えていることも分かった。国交省の担当者は、「導入済みの団体での成功事例を、検討中やこれから検討する団体へ広げていくことが、BIM/CIM活用工事の導入促進につながる」と見ている。
 国交省は、上半期の調査でBIM/CIM活用工事の導入を「検討中」とした40団体に対して、深掘り調査を実施。導入する上での課題を聞いたところ、40団体のうち38団体が「ソフト・機器類導入などのコスト」と回答し最多となった。以下、「技術者不足、人材育成」が37団体、「高スペックパソコンなどの機材不足」が33団体で続いた=グラフ参照。
 一方で、導入済みの団体に、課題に対して取り組んだ工夫や、そこから得られた成果をたずねると、「官民学によるBIM/CIM推進協議会を発足し、取り組みを推進している」「課題把握のため高性能パソコンを導入したところ、3次元測量や3次元モデル作成などの事例が増加した」「意見交換や講習会などを実施した」といった事例を挙げた。
 BIM/CIM活用工事を実施するメリットについては、3次元データを利用することで、「住民説明会や関係機関協議などでの合意形成が円滑になった」「埋設物や干渉箇所の確認による、工事の手戻りの防止につながった」といった回答があった。
 上半期の調査では、都道府県47団体・政令市20団体の計67団体に対してアンケートを実施した。このうちBIM/CIM活用工事を実施していると回答した団体は9団体で全体の約1割にとどまった。残る58団体のうち、40団体が「検討中」、18団体が「未検討」だった。

提供:建通新聞社