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中央ニュース

2023/12/19

書類簡素化の成果 6割の団体で負担軽減

 国土交通省の調査によると、工事書類の簡素化に取り組んでいる都道府県・政令市の6割が、「受発注者の書類作成・検査の負担軽減」で成果があった。多くの団体がマニュアル・ガイドラインの策定やASP(情報共有システム)の活用といった簡素化に取り組んでいた。国交省では、2024年4月からの建設業への時間外労働の上限規制適用に備え、受発注者双方の業務負担の軽減や生産性向上、働き方改革を推進するため、入札契約書類や工事関係書類の簡素化、標準化に努めるよう、都道府県・政令市に対する周知を強めている。
 調査では、全国の都道府県47団体と政令市20団体の計67団体のうち、「工事書類の簡素化に取り組んでいる」とした63団体に、簡素化の工夫・成果について聞いた。簡素化の工夫では、19団体が「マニュアル、ガイドラインの策定による認識共有」、7団体が「ASPや電子化の推進・拡大」、5団体が「受発注者によるワーキンググループ、意見交換を通じた情報共有」を挙げた=表参照。
 こうした工夫により、63団体のうち41団体が、「受発注者の書類作成・検査の負担軽減」で成果を得たと回答した。
 また、簡素化の要領・マニュアルを作成していない18団体に、その理由を聞いたところ、10団体が「仕様書などで明示している/工事関係書類一覧や作成例がすでに存在する」、6団体が「マニュアルの作成中・検討中」、4団体が「必要性を強く感じない」と回答した。
 一方で、書類の標準化は17団体が未実施で、標準化を実施していない理由では、「独自様式・規定の存在」(6団体)が最も多かった。この他、4団体が「標準化の実施に向けて検討中」「要望がない、必要性を強く感じない」、2団体が「メリットを受ける業者が限定され、大多数の業者や市町村の混乱を招く恐れがある」とした。
 標準化を進めている団体では、ブロックごとに地方整備局と連携して取り組んでいるケースが見られた。中には、一部の工事書類について、様式のみを統一し、その処理方法や実施に必要な細目を個別に定めることで導入の負担軽減につなげている団体もあった。

提供:建通新聞社