トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2023/12/20

土木に「デザイン」の視点 2グループが受賞

 土木学会は12月18日、2023年の安全問題討論会を都内で開いた。今回から「デザイン部門」を新設し、防災教育ゲームや自然災害の恐れの大小を可視化するホームページなど、従来にないアプローチの発表を行った2グループが受賞した。
 安全問題討論会は、土木学会の安全問題研究会が工事現場での労働災害対策や、自然災害からの安全確保などをテーマとして分野横断的に意見交換を行う場。20年以降、コロナ禍の拡大防止のためリモート開催だったが、今回は3年ぶりの対面開催となった。
 今回から新たにデザイン部門を設け、論文や報告以外の、模型やスライド、パネルといった形式の成果物を受け付け、11件が発表することとなった。
 デザイン賞を受賞した2件のうち、田中健太郎氏(香川大学大学院)らによる防災教育ゲーム「SPOT」は、親しみやすい手法で、危険性の低い居住地を選ぶ重要さを学ぶもの。
 もう1件は、安國恭平氏(東京都市大学大学院)らによる、自然災害安全指標を可視化するホームページ作成の取り組みが受賞した。
 また、安全問題討論会論文賞などの各賞も新設。
 論文賞は西川隼人氏(福井工業大学)らによる「受水槽のスロッシング被害評価のための速度応答スペクトル予測式の検討」と、近広雄希氏(信州大学)らによる「令和元年台風19号における武石川と余地川の橋梁被害の要因分析とリスク評価」、高橋明子氏(安全衛生総合研究所)らによる「360度映像を用いた建築作業ハザード知覚訓練のメディア形態と提示装置による効果の比較」が受賞した。
 論文奨励賞には中根良太氏(東京都市大学大学院)らによる「労働災害防止のためのアンサンブル学習による斜面崩壊の異常検知」が選ばれた。
 優秀報告賞は、今瀬肇氏(鈴縫工業)による「地域建設業におけるSNSへの取り組み経過と今後の可能性」が受賞した。
 安全問題研究委員会の広兼道幸委員長はデザイン部門について「非常に若い力が伝わってきた。すごいアイデアが出てくる」と評価。討論会の実行小委員会の山中憲行委員長は、次回の討論会でもデザイン部門や各賞を設けることを説明し、「ぜひ参加してほしい」と呼び掛けた。

提供:建通新聞社