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2023/12/21

品確法改正へ骨子案 スライド条項を法制化

 自民党の「公共工事品質確保に関する議員連盟」(品確議連、根本匠会長)は12月20日、品確法改正プロジェクトチームの第1回会合を開き、公共工事品質確保法(品確法)改正に向けた骨子案を示した。骨子案によると、スライド条項を法的に位置付けることで、適切な価格転嫁につなげる。さらに、週休2日の定着へ、国による技術者や技能者の休日の実態把握と、必要な施策の推進を新たに規定。地域の実情を踏まえた入札参加条件の適切な設定、新技術の活用なども国や自治体といった公共工事の発注者の責務とし、持続する建設業の実現、地域の守り手の維持を目指す。
 スライド条項については、日本建設業連合会、全国建設業協会、全国中小建設業協会から、資材価格高騰の予定価格への反映とともに、適切な運用を求める声が上がっていた。骨子案では、発注者の責務として、スライドの運用基準の策定と、運用基準に基づく請負代金の変更を定めることとした。現状は、公共工事標準請負契約約款に基づいた運用となっている。これを法的に位置付け実効性を高める。
 週休2日の定着に向けては、労働環境の改善に関する受注者の独力義務規定に、労働条件の例示として「休日」を追加。その上で、公共工事に携わる技術者・技能者が適切に休日を取得できるよう、賃金の支払い状況を含め、国が休日の取得に関する実態を把握し、必要な施策の策定・実施に努めるよう、新たに規定する。
 地域の実情を踏まえた入札参加条件の適切な設定は、地域での担い手の確保・育成を後押しする狙いがある。競争参加資格や発注規模などの入札参加条件の適切な設定を発注者の責務に加える。併せて、「多様な入札及び契約の方法」に随意契約の活用を追記することとした。
 新技術の活用では、発注者の責務として、必要な費用の予定価格への反映などを加える。
 品確法は、公共工事の品質を確保し、国民の安全・安心の暮らしを守ることを目的とした議員立法で、2005年に制定。国や地方自治体などの公共工事の発注者と、受注者の責務がそれぞれ規定されている。社会情勢に応じた課題に対応するため順次、改正している。
 会合の冒頭、根本会長=写真=は、「品確法はより良い建設産業をリードする、産業政策を軸とした法律。衆議院の法制局とも実務的な議論を重ね、改正の骨子案をまとめた。しっかり検討していきたい」と述べた。
 プロジェクトチームは今後、2回程度開催し、さらに内容を詰める。建設業法などとの一体的な改正を視野に入れる。プロジェクトチームの座長は、佐藤信秋参院議員が務める。

提供:建通新聞社