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2023/12/27

残業規制踏まえた工期 市町村の6割「未実施」

 国土交通省・総務省・財務省が全国の市区町村を対象に、公共工事の発注に際して、建設業への時間外労働規制の適用を踏まえた工期設定の取り組みを行っているか調べたところ、1089団体(63・4%)が「未実施」と回答した。建設業への時間外労働規制の適用自体を認識していなかった自治体も97団体あった。
 全ての公共工事の発注者を対象とした、入札契約適正化法に基づく実施状況調査(7月1日時点)と合わせて結果を公表した。時間外労働規制に伴う「2024年問題」に対し、自治体の対応状況や認識に濃淡がある現状が浮き彫りになった。
 一方、入契調査の結果を見ると、「公共工事に従事する者の休日(週休2日、祝日、年末年始、夏季休暇)」を考慮した工期の設定状況は、国(前回調査時73・7%)と特殊法人等(92・6%)、都道府県(97・9%)、政令市(100%)がいずれも100%となった。市区町村は56・5%と前年の調査より8・4ポイント増えたものの、半数程度にとどまった=グラフ参照。
 スライド条項の運用基準の策定状況も確認。単品スライドとインフレスライドについて、都道府県と政令市の全団体が策定済みだった。特殊法人等では9割強、国で7割弱、市区町村で4割強の団体が運用基準を策定していた。市区町村は前回調査(29・2%)から15・1ポイント増えた。運用基準の策定を促進し、資材価格などの円滑な価格転嫁につなげる。
 ダンピング対策については、低入札価格調査基準価格と最低制限価格の算定式が、22年に改定した最新の中央公契連モデル相当以上の水準となっているかを調べた。調査基準価格の算定式については、最新モデル相当以上の水準となる独自モデルの使用も含め、国・都道府県では全団体が最新モデル相当以上だった。
 週休2日工事の実施状況は、交替制を含め、「実施している」と回答した団体が増加。都道府県と政令市は全団体、国で4割強の団体が実施していた。一方で、特殊法人等と市区町村は3割に届かなかった。
 今回の入契調査には、国19機関、特殊法人など121法人、地方自治体1788団体(47都道府県、20政令市、1721市区町村)の計1928団体が回答した。

提供:建通新聞社