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2025/05/30

自民党推進本部 国土強靱化中期案を了承

 自民党の国土強靱化推進本部は、5月29日に開いた内閣第一部会との合同会議で、第1次国土強靱化実施中期計画案を了承した。計画案には、埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故を踏まえた下水道更新の促進を盛り込み、施策の総数は現行の5か年加速化対策の倍以上の326施策とした。佐藤信秋本部長は「都道府県や市町村、農林水産を含めた業界団体から頂いた意見を整理して盛り込んだ」と述べた。事業規模は「5年間でおおむね20兆円強」とし、資材価格や人件費の高騰分を含めて粘り強く反映を働き掛けていく。
 政府は、国土強靱化5か年加速化対策に続く実施中期計画の素案を4月に作成。防災インフラの整備とライフライン強靱化、新技術活用、官民連携の強化、地域防災力強化の五つの柱に沿って実施すべき施策を定め、このうち特に実施すべき116施策について、計画的な事業実施に向けて進捗を評価する指標を設けた。
 29日の会合では、パブリックコメントや地方自治体から寄せられた意見を踏まえて施策を整理。全体で326施策を盛り込むこととした。今後、政調審議会での決議する。政府は6月にも決定する。
 新たな施策としては、埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故を受けて国交省の有識者会議が行った提言を踏まえ、下水道管路の更新を明記した。有識者会議は、国交省による延長5000`に及ぶ下水道管路の点検結果を踏まえ、一定以上の緊急度と評価された箇所について5年以内に対策するよう求めている。
 上下水道事業は多くの場合、地方自治体の公営企業会計で料金収入に基づき運営されている。このため、自治体による更新の支援事業を整備する方向と見られる。
 この他、企業の地方移転など民間が主体となる施策も位置付けた。
 幅広い施策が盛り込まれたことを受けて、佐藤本部長は「施策が増えた分、事業費も増やしてもらわないといけない」と発言。「おおむね20兆円強」の事業を必要に応じて積み増せるよう、計画決定後も政府に対して働き掛け続ける必要性を強調した。「倍までは“強”とも言える」と述べ、今後の働き掛けに期待感を示す場面もあった。
 実施中期計画に基づく初年度分の予算については、速やかに必要な措置を講じる。

提供:建通新聞社