国土交通省は2030年度をめどに、燃費基準を達成した建設機械の使用を直轄工事で原則化する。対象は、燃費基準を満たす建機が一定程度普及している油圧ショベルを予定。27年に開始する次期基準だけでなく、13年に開始した現行基準で認定を受けた型式の建機の使用も可能とする。低炭素型建機や電動のGX建機の使用も認め、建機施工に伴うCO2排出を削減する。
国交省は13年度から、建機の燃費に基準を設け、達成した型式を認定する制度を運用している。燃費の優れた建機の普及を後押しする。
認定を行っている建機は油圧ショベルとホイールローダ、ブルドーザ、ホイールクレーンの4種。2月までに合計で196型式を認定した。認定を受けた建機は、ラベルを貼付することができる。
現行の燃費基準は13年3月に発効した「2020年基準」。27年3月末には新規の認定を停止する予定となっている。
次期の「2030年基準」は22年3月に公表しており、27年4月の発効を予定。認定に必要な燃費基準を段階的に強化することで、メーカーによる燃費性能の高い建機の開発、普及を促進する。
30年度には直轄工事で使用する建機について、燃費基準を達成した認定型式の使用原則化する。まずは、達成型式の普及率が21年度時点で29%に達したと推定されている油圧ショベルを対象とする考えだ。政府の脱炭素化に向けた計画では、30年度には82%となる見通しを示している。
その他の建機についても、普及率を見ながら使用原則化の時期を検討する。21年度時点の普及率(推定値)は、ホイールローダが6%、ブルドーザが16%。ホイールクレーンの認定は22年度から開始したため、普及率は不明となっている。
30年基準だけでなく、20年基準を達成した建機についても使用を認める。建機は使用期間が長いため、買い換えには時間がかかることに配慮した。
使用原則化に当たっては、燃費基準達成建機以外にも、CO2削減に有効な認定を受けた型式の使用を認める。ハイブリッド機構を搭載した低炭素型建機については24年に新規認定を停止したが、これまでに51型式を認定済み。電動のGX建機についても23年度の制度開始後、これまでに20型式を認定している。
提供:建通新聞社