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2025/06/10

外国人材 受入企業が「育成プラン」作成

 国土交通省は6月9日、育成就労制度の開始を見据えて建設分野の運用方針を議論する有識者検討会の初会合を開いた。外国人材が育成就労、特定技能の両制度を通じて中長期的なキャリアを形成できるよう、受け入れ企業が「育成プラン」を作成するとの方向性を提示。建設キャリアアップシステム(CCUS)も活用し、外国人材が持続的に技能・日本語能力を高め、経験を積む仕組みを作る。
 平田研不動産・建設経済局長は開会に当たり、外国人材について「建設業の今後を語る上で不可欠の要素」と述べた。「中長期的なキャリア形成と定着促進に向けた環境整備が急務となっている」とし、個々の企業だけでなく建設業界と行政が一体で取り組む必要があるとした。
 現行の技能実習に代わって2027年度に開始する育成就労制度は、人材育成・確保という目的を強め、特定技能の入り口に位置付けられる。検討会では、育成就労・特定技能の建設分野における運用方針について有識者と業界関係者で議論し、11月に報告をまとめる。
 初会合で国交省は、外国人材の中長期的なキャリア形成を後押しするため、受け入れ企業が外国人材ごとにキャリア育成プランを作成するという建設分野独自の施策イメージを示した。3年間の育成就労、5年間の特定技能1号を経て特定技能2号に至る外国人材のキャリアについて、就業日数や取得すべき資格、実務経験、日本語能力の目安を示す。
 国交省がプラン作成の手引きを26年にかけて整備する。専門工事業団体とも調整し、職種ごとの実態を踏まえて外国人を育成できるようにする。
 建設分野で技能実習生や特定技能外国人を受け入れるには、CCUSの登録が義務付けられている。育成就労でもこうした規定は引き継ぐ方針で、技能・経験を蓄積してレベル別に能力を評価できるCCUSも参考に、外国人材を計画的に育成してもらう。
 おおむね、育成就労はレベル1(見習い)相当の期間とし、就業日数に加えて新規入職者安衛教育や技能検定3級など必要な資格を取得。特定技能1号はレベル2(中堅技能者)相当とし、特定技能2号への移行後はレベル3(職長)、レベル4(高度マネジメント)に相当するとした。
 「育成プラン」は、受け入れ企業と外国人材が合意の上で作成する。外国人材が転籍し、受け入れ企業を変えた場合、転籍先にプランを持っていくことになる。
 10年以上の実務経験を積むと、在留資格を「技術・人文知識・国際業務」へと変更し、技術者として就労することも選択肢となり得る。8月に開く次回検討会では、外国人技術者の確保・定着の課題についても議論する予定となっている。
 育成就労から特定技能1号への移行に当たっては日本語能力A2、2号にはB1相当が求められる。建設技能人材機構(JAC)が提供する日本語講座なども踏まえ、支援の仕組みを検討する。

提供:建通新聞社