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中央ニュース

2025/06/13

労務費・経費確保に重点 法改正受け受発注者に徹底

 建設キャリアアップシステム(CCUS)処遇改善推進協議会(会長・蟹澤宏剛芝浦工業大学教授)は6月12日、適正な労務費の確保とCCUSの利用拡大を今後の重点課題に位置付けた。改正建設業法を踏まえて「労務費の基準」に基づく労務費を技能者の経験・技能に応じた適正な賃金として行き渡らせる取り組みを推進するとともに、法定福利費をはじめ必要経費の確保を一層徹底するよう、参加した発注者団体、建設業団体に呼び掛けた。
 協議会には、元請け・専門工事業団体、民間発注者団体、地方自治体などが参加。建設工事の受発注の幅広い関係者が参加し、社会保険加入の徹底や法定福利費確保、建退共の適正履行による処遇改善を議論する。
 今後の重点課題では、12月を予定している改正建設業法の全面施行を見据え、中央建設業審議会が作成・勧告する「労務費の基準」による労務費確保を官民一体で推進することとした。
 改正法では、労務費・材料費など適正施工に必要な経費を内訳明示した見積書の作成が建設業者の努力義務となる。法定福利費や安全衛生経費、建退共掛金などなどが必要経費と位置付けられ、省令に盛り込まれる見通しとなっている。
 協議会では、必要経費を内訳明示した見積書の提出と適正支払いの状況について実態を把握することとした。注文者が考慮するよう努める必要経費に位置付け、着実に確保できるようにする。
 重点課題のうちCCUSの利用拡大では、27年度に始まる育成就労制度を想定し、外国人材の育成・処遇改善に向けたCCUS活用を検討することとした。現行の技能実習制度と同様に育成就労でもCCUS登録は義務付けられると見られ、中長期のキャリア育成に生かす方策を考える。
 第3次担い手3法では、品確法基本方針、入契法適正化指針、建設業法のICT指針に建退共の電子申請の積極活用が位置付けられた。今秋にはCCUSと建退共電子申請システムとの連携により、ワンタッチで就労実績が登録できるようになることを踏まえ、改めて活用を周知する。
 一人親方対策も引き続き重点課題の一つとした。偽装一人親方の防止のため22年度に活用を開始した「働き方の自己診断vチェックリスト」については、認知度を高め、活用を促進する。一人親方の就労実態の把握、一人親方の働き方のメリット・デメリットの整理も実施する。
 改正建設業法に規定する、労務費や必要経費を内訳明示した見積書の努力義務化では、一人親方にも分かりやすい作成手順を整備することとした。

提供:建通新聞社