国土交通省は、大型の自走式建設機械や資機材の運搬車両が道路を通行する際に利用する特殊車両通行制度のさらなる活用と円滑化を検討する。2024年4月から試行している通行時間帯条件の緩和の成果を踏まえ、短スパンの橋梁などを対象に条件を緩和する時間帯を拡大できるか調査する。
積載状態で長さ12b超、総重量20d超となるなど一定基準を上回る車両の通行には、特殊車両通行制度に基づく道路管理者の許可・確認が必要になる。自走式建設機械や鋼材など長大な資機材を運搬する車両も許可が必要で、建設工事にも不可欠な制度となっている。ドライバーの人手不足を背景として許可制度の利用台数は増加を続けており、14年度からの10年間では2・4倍と大きく増加している。
国交省では、大型車両の多様化を受けてETC2・0や特車通行許可データなどを活用した通行実態を分析。26年度に、物流や手続きの効率化に向けて特車通行制度の基準緩和を検討することにした。
現行では、車両の重量に対して耐荷力の低い橋梁や狭あいな交差点部を対象に、安全確保の観点から特殊車両の通行時間帯を夜間(午後9時〜午前6時)に限定している。徐行や誘導車両の配置、他の車両の排除といった対策も規定している。
しかし、ドライバーの深夜労働や長時間の拘束につながるとの声があることから、橋梁約1・5万カ所を対象に通行時間帯を前後1時間拡大するなどの試行運用を実施。25年1月までに653台が緩和の適用を受け、5506橋を通行させるなど一定の成果を上げた。
国交省はこれまでの試行で得られた走行実績のデータを分析し、交通への影響の有無などを検証。合わせて、事業者へのヒアリングを通じて通行時間帯やドライバーの拘束時間の変化といった緩和の効果も分析する。緩和対象箇所の拡大や、短スパンの橋梁などでの時間帯をさらに緩和し、安全性への影響を評価することを検討する。
大型車両の通行データを基に、通行の適正化方策も検討する。ICTを活用した運行状況のモニタリングの強化や、違反取り締まりの運用要領の見直しも考える。
提供:建通新聞社