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2026/03/17

直轄土木で3Dプリンタ活用 費用、出来形の留意点示す

 国土交通省は、直轄土木工事で建設用3Dプリンタの活用例が増えていることを受けて、造形物の出来形確認や導入に伴う契約変更時の留意点を参考資料としてまとめた。セメント系材料による造形は型枠が不要となるなど、省人化・工期短縮の効果が期待できるとし、さらなる普及を見据えて品質管理方法を整理。留意点は、事例の蓄積に合わせて随時見直していく。
 資料は、受注者から3Dプリンタの活用を提案された発注側の監督職員を対象としたものだが、受注者にとっても契約変更時の取り扱いや出来形の確認方法を把握する上で参考にできる。土木学会が昨年公表した技術指針案を補足する内容となっている。
 3Dプリンタの材料は、通常施工で用いる生コンやプレキャスト製品に用いるコンクリートと比べて高価な場合が多い。一方、型枠が不要で製造時間が短く、現場条件に応じて自由な造形が可能となるなど省人化・工期短縮効果が期待される。受注者から提案を受けた際は、工事全体の設計変更の妥当性や必要性について受注者とすり合わせる必要があるとした。
 また、これまでの施工実績では、費用の変更を伴わない「施工承諾」とする扱いが大半であるとも記載した。
 出来形や品質の確認は、従来の場所打ちコンクリート構造物の施工管理基準に準拠することを基本とする。ただ、土木工事で主流の材料押出方式の3Dプリンタの場合、材料を一層ずつ積み重ねる特性から、表面には独特の凹凸が生じる。幅や高さを計測する際は、このうち凹部を対象に測定することとした。内空幅や内空高さは凸部で測定する。
 現在、3Dプリンタを土木工事で用いる際の材料、造形方法に関する標準は整備されていない。直轄工事において当初設計で3Dプリンタの使用を指定して発注した例もないという。比較的コストが高くなりやすい一方、施工時の工夫の余地は大きく、また災害復旧など短工期での対応を求められる工事で有効だとされる。将来的な標準化を見据え、まずは施工実績の蓄積を目指す。
 これまで直轄工事で活用した際は、個別に品質管理や検査の方法を検討してきた。資料では実務上の留意点を示すとともに、直轄土木工事で適用した14事例を取り上げ、適用した3Dプリンタのメーカーや対象の工作物、材料、品質管理項目、メリット・デメリットなどをまとめた。現地付近やプラント内など幅広い場所で造形していることも示した。

提供:建通新聞社