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2026/03/19

独自歩掛、適正運用は一部 定期見直しの好事例共有

 国土交通省は、工事の積算時に直轄工事の歩掛を流用するだけでなく、独自の歩掛を制定している地方自治体へのヒアリング結果をまとめた。施工実態調査によって精度を担保したり、定期的に見直すなど、適切な運用を行っていた団体はごく一部にとどまった。国交省はこうした運用を満たす3団体を好事例としてまとめ、水平展開する。
 自治体の歩掛の多くは国交省が直轄工事で用いる標準歩掛を流用している。建設業界からは、直轄工事と比べて自治体工事のロットが小さく、結果として積算が合わないとの声が寄せられていた。
 そこで、都道府県・政令市を対象に独自歩掛の有無を調査したところ、約半数に当たる33団体が設定していた。設定理由は工事の「現場条件との乖離(かいり)」が最も多かった。歩掛の設定方法は団体職員による調査や委託調査、ヒアリングが中心だが、国交省以外の基準を参照する例もあった。
 独自歩掛を設定していた団体のうち14団体に個別ヒアリングを実施したところ、外部委託による施工実態調査や複数の建設会社からの見積もり徴収により、歩掛の精度を担保するとともに、設定後も定期的に見直しを行っている事例は3団体と一部にとどまった。
 例えば、排水工構造物工や地すべり防止工、欠損部補修工などに独自歩掛を設定しているある団体は、7者以上からの見積もり取得を原則化。新規に設定した歩掛の有効期限を1年と定め、その後の見積もり徴収で変動が見られなければ5年間に延長し、5年おきに継続的に見直す仕組みを構築していた。
 この他、コンクリートブロック積(張)工や大型土のう工、防護柵設置工で設定していた団体、舗装版切断工や路盤工、道路付属物設置工で設定していた団体などでも5年ごとの見直しをはじめとした好事例が見られた。
 国交省は好事例とともに、独自歩掛を設定・更新する際の標準的な段取りを整理。事例集としてまとめ、独自歩掛を必要とする自治体に参考として水平展開する。
 国交省は、多くの自治体が流用している直轄工事の歩掛についても、2026年度分からは適用できる工事規模の下限値を明確化した。自治体工事の積算に流用する際、乖離が生じるようであれば見積りを活用するなど、個別に対策を講じるよう求めていく。

提供:建通新聞社