国土交通省は、直轄工事の大幅な増額変更に際し、受発注者以外の第三者による適正性の確認を2025年度に36件の本官工事で試行した。概略数量で発注せざるを得ない災害復旧工事の多かった北陸地方整備局で17件となった他は、各地整とも2〜3件程度で、いずれも増額変更の適正性を確認できた。試行は25年度に開始したもので、3年程度掛けて制度の有効性を確認する。
第三者確認は、地方整備局の局長名で発注する本官工事のうち、▽変更後に見込まれる請負代金額の合計が当初額以上▽トンネル工事に橋台工事を追加するなど、工事区分を追加▽工事場所を追加―のいずれかに該当する案件を対象に実施する。
監督員が変更内容の妥当性を確認した後、設計変更の前に第三者に意見を聴取する。変更理由や、既契約工事との一体性が確認のポイントとなる。契約変更を実施した工事は。各地整のホームページで公表する。
適正性を第三者が確認し、契約・公表に至った工事は33件。意見聴取で適正性を確認済みだが、契約変更に至っていない工事も3件。
北陸では、災害復旧工事の早期実施に向けて概略設計で発注し、設計変更で対応するケースが特に多かったという。この他、建築物の耐震補強工事では、外部仕上げの撤去後、既存構造に蟻害・腐朽が見つかった事例や、橋梁下部工で法面滑り崩壊が発生した事例など、想定外の追加対策を要した例もあった。建築・電気・機械の3分離で発注した工事で電気設備が不調となり、緊急性を踏まえて建築と電気設備を一体で変更契約した事例もあった。
意見聴取の実施後、変更契約を行った工事は各地整のホームページで変更理由や第三者のコメントとともに公開している。
「第三者」の確保に当たっては、入札監視委員会を充てたり学識者に個別ヒアリングする他、新たに適正性チェックのための委員会を立ち上げる例もあった。
第三者による適正性確認制度は、公共工事の契約変更により、事業費が大幅に増加するケースがあるとの指摘を受け、契約変更の透明性を確保するために始まったもの。改正品確法の成立時の付帯決議で、まずは国交省直轄工事を対象に導入することとされた。
提供:建通新聞社