国土交通省は、4月1日公告分の直轄工事・業務から、賃上げを表明した企業に対する総合評価落札方式での加点割合を引き下げる。従来は加算点全体の5%程度を占めていた加点割合を3%程度に縮小させる。加点幅を縮小するのは、2021年度の制度開始以来初めて。他省庁では、大企業に対する賃上げ加点を4月から廃止したが、国交省は中小企業との受注競争で公平性を確保するため、大企業にも加点を継続することとした。
賃上げ表明企業に対する加点措置は、国の機関が一律で導入している。適用対象は、総合評価を適用する工事や業務、役務。競争参加時に、今後1年間の従業員への賃上げを表明すると総合評価で加点される。
賃上げに対する加点割合の縮小は、省庁横断で実施する。これまで政府全体では加点割合を加算点の「5〜10%」としており、国交省は5%としていた。今回、政府全体で「3〜5%」へと加点割合を引き下げたことを踏まえ、国交省は3%に設定した。一般的な工事の場合、これまで施工能力評価T・U型で3点、技術提案S型で4点の加点だったが、総合評価の型を問わず一律2点を加点することになる。
大企業に対しては、政府全体で加点措置そのものを廃止することとされた。一方、国交省の直轄工事・業務の場合、等級によって大企業と中小企業が競争する発注案件があることを踏まえ、公平性を保つため、大企業にも賃上げ加点を引き続き適用することにした。
賃上げの目標水準はこれまでと変わらず、大企業に3%以上、中小企業に1・5%以上を求める。表明企業が受注した場合、事後的に実績を確認し、目標水準を未達の場合に減点する。
大企業が未達となった場合、これまでは政府全体の調達で減点していたが、今回からは国交省発注分に限って減点するよう運用を改めた。
25年度までの直轄工事の適用状況を見ると、受注者全体の7〜8割の企業が賃上げを表明している。大企業だけでなく、中小企業も賃上げを積極的に表明しているという。
国交省の発注案件のうち役務については他省庁と足並みをそろえ、大企業に対する賃上げ加点を廃止する。
提供:建通新聞社