国土交通省のまとめで、全ての都道府県が建設キャリアアップシステム(CCUS)活用を企業評価などに利用するモデル工事の実施を表明したことが分かった。未導入だった山形県が、2026年度からCCUS活用工事に対して工事成績評定で加点することを決定。既に20政令市はCCUSモデル工事を実施しており、国交省などで構成するCCUS運営協議会は今後、市区町村でもCCUS活用の裾野を広げていく。モデル工事では、特に就業履歴の蓄積に力を入れる。
国交省は、CCUSの普及に向けて、自治体発注工事での活用を推進している。活用のメニューは工事成績評定や総合評価、入札参加資格での加点、カードリーダー設置に対する補助など。群馬県や埼玉県、広島県のように全メニューの実施を表明している県もある=表。
今回、全都道府県・政令市でモデル工事の実施体制が整ったことを受けて、今後は市区町村の発注工事を中心にさらなるCCUS活用を促していく。このため、国交省や建設業振興基金、建設業団体で構成するCCUS運営協議会は、26年度事業計画に公共発注者向けの情報提供や窓口相談の強化を盛り込んだ。25年時点でモデル工事の実施を表明している市区町村は90団体以上となっている。
モデル工事の実施に当たっては、事業者登録や現場登録だけでなく、カードリーダーの設置による就業履歴の蓄積を評価する仕組みを導入するよう促す。CCUSが現場で適切に活用され、技能者のキャリアアップにつながるようにする。
一方、国交省の直轄工事では、一般土木工事の本官発注分で原則、モデル工事を実施している。24年の実績を見ると、WTO政府調達協定の対象となった42件でCCUS活用を義務化した他、Bランク以上の工事61件でも活用を推奨した。地元の建設業界の理解を得られた46都道府県でもCランク工事938件でモデル工事を試行した。営繕関係は72件、港湾空港関係は242件のモデル工事を実施した。
農林水産省や環境省といった国の機関、高速道路会社などの特殊法人でもモデル工事の導入が進展した。24年度の主な実績は、UR都市機構が18件、鉄道・運輸機構が12件、首都高速道路が55件、阪神高速道路が24件(うち2件は義務化モデル工事)となっている。
CCUS運営協議会の事業計画には、モデル工事を実施する個社に対し、現場での運用を直接サポートする事業も引き続き盛り込んだ。工事実施後に報告会を開き、他の元請け建設業者への水平展開を促す。
提供:建通新聞社