財務省は4月23日、財政制度審議会の分科会を開き、インフラ老朽化対策を重点的・安定的に進めるため、「安定財源を前提に当初予算で見通しを持って着実に進めていくことが必要ではないか」と問題提起した。高市早苗首相が補正予算ありきの予算編成からの脱却を唱える中、中長期にわたって必要なインフラ老朽化対策の当初予算化を求めた形だ。
財政審では、2027年度当初予算案の編成に向けて政府が例年6月ごろに決定する「骨太の方針」を見据えた議論を進めている。今回はインフラ整備をテーマとし、特に喫緊の課題として、埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故を引き合いに道路や、路面下にある上下水道管路をはじめとしたインフラの老朽化対策の必要性を指摘した。
26年度を初年度とする第1次国土強靱化実施中期計画でも、インフラ老朽化対策が盛り込まれている。財政審では、道路関連インフラの保全に必要な国費が5年間で3兆円程度との見通しを示した。昨年末にガソリンの暫定税率が廃止され、代替となる財源の検討が課題となる中、インフラ老朽化対策の関連予算の当初予算化に向けた財源確保の必要性を示唆した。
一方、分科会では、インフラ整備の安定的な実施を巡り、建設業の人手不足も問題視された。建設関係職種の有効求人倍率が高止まりする中、公共工事・民間工事で人手不足を理由に事業が延期される例も出てきているとした。公共工事の増大が民間工事の円滑な施工に悪影響をもたらすと主張し、いわゆる「クラウディングアウト」を引き起こさないよう留意を求めた。
提供:建通新聞社