文化庁は5月12日、文化審議会文化施設部会を開き、文化施設の維持や改修・更新財源の確保について議論した。委員からは、「財政的に全ての文化施設を維持するのは難しく、複合化を進めざるを得ない」との意見が上がり、複合化に向けた進め方の整理や、芸術文化振興基金制度の見直しを求める声が出た。年内に報告書をまとめる。
全国にある約2万の文化施設の多くは、1970〜90年代に整備された。全体の約70%が40年代までに建て替え時期を迎える一方、人口減少に伴う利用者数の減少で収入確保が難しくなっており、改修・更新財源の不足が課題となっている。施設運営や文化芸術活動を担う人材の不足も深刻化している。
部会では、こうした課題への対応策として、文化施設を地域の拠点として位置付け、まちづくりを進めるプラットフォームの構築や、施設整備に対するハード面の支援拡充について、国と地方自治体の役割分担を整理しながら検討を進める。
委員からは、物価や人件費が高騰する中、芸術文化振興基金への積み増しが行われていないため、採択事業数が減少するのではないかと懸念する意見も出た。基金の拡充に加え、運用益を高めるため、より柔軟な資金運用が可能となる制度へ見直す必要があると訴えた。
提供:建通新聞社