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2026/06/03

維持工事担い手確保へ調査 地域に必要な機械・労務把握

 国土交通省は、道路・河川を対象とした維持工事の担い手確保が困難になっている現状を受け、入札・契約や受注者の体制に関する実態調査を行う。適正にインフラを管理するために必要な機械・労務の量など、地域で求められる「施工力」の把握に生かす。
 通年の維持工事は、小規模で施工箇所が点在する作業が含まれるなど標準歩掛に基づく精算になじみにくく、採算性の低さが指摘されていた。道路の夜間工事や河川の緊急対応のため、監理技術者が拘束されるといった課題もあり、一社応札が多発。維持工事単独では受注者の経営が成立せず、一般土木との組み合わせで成り立っている実態もあるという。
 国交省はこれまでも、小規模作業の精算基準の整備や待機・未出動に対する精算、技術者の立ち会いが不要な作業の例示といった対策を講じてきた。技術者・技能者という「人」、元請け・下請けという「会社」の両面で維持管理を支える担い手の将来的な不足に直面しているとし、有識者会議で中長期的な確保策を検討することとした。
 維持工事の担い手確保を構造的な課題と捉え、制度・運用の見直しを考える。このため、直轄管理している施設を対象とした過去の通年維持工事の発注実績を踏まえ、発注ロット・規模や、契約年数、入札方式、施工条件、待機場所、機械の保有状況などに関する実態を精査する。
 合わせて、平時のインフラ管理や、災害時の応急対応を適正に実施するために必要な機械・労務を把握する。地域建設業が担い手不足に直面する中、地域内にあるべき機材量やマンパワーを把握したい考えだ。
 調査結果を踏まえ、持続可能な受注者の体制と、新規の参画機会を確保する方策を検討する。
 有識者会議では地域社会資本マネジメント研究所の高野伸栄理事長が、案件によっては受注者が限られる実態に触れ、「受発注者の緊張関係を保ちながら、一社応札が最も合理的な場面もあるという認識を社会的に形成する」ことの必要性を指摘した。
 東京都市大学の野城智也学長は、地域建設業の後継者難による廃業を問題視し、「発注政策と産業政策のリンクが必要だ」と述べた。ロボットをはじめとしたフィジカルAIによる維持工事の省人化にも期待を示し、国交省にパイロット事業の実施を呼びけた。

提供:建通新聞社