国土交通省は、建設業法令順守本部の2026年度の活動方針を決めた。「労務費の基準」を著しく下回る見積もり・契約を禁止する改正建設業法が昨年末に全面施行したことを受け、建設Gメンによる調査を本格化。駆け込みホットラインに寄せられた情報を入口に追加調査し、改善指導や監督処分につなげる。25年度に特に指導件数の多かった見積書の不備に注目し、26年度も継続的に調査する。
建設Gメンの最も重要な目的には、請負契約の適正化を通じた労働者の処遇改善、働き方改革の推進を位置付けた。労務費や工期設定に力点を置き、建設業法の順守状況を調査する。従来の電話対応に加えてオンラインの情報収集フォームを開設するなど、機能を拡充した駆け込みホットラインや、下請取引等実態調査を活用する。
法令違反の疑義情報を精査し、追加調査を実施する。請負代金については、当初と最終の見積書を比較。大幅な減額が見られた場合、1月に公表した取引事例集に照らして原因を把握する。特に労務費が適正額を著しく下回る場合、注文者との協議状況を確認する。
契約締結の関連では、資材価格が高騰した際、価格転嫁協議を円滑化する条項が契約書に記載されているか確認する。価格高騰が発生した場合は、価格転嫁を適切に協議しているかも調べる。
工期設定については、休日確保や猛暑日の不稼働の考慮状況を調べる。長時間労働の事案は労働基準監督署とも情報共有する。
■25年度の指導768件、見積関係が最多
建設Gメンの25年度の活動結果も明らかにした。監督処分の実施件数を見ると、許可の取り消しは1業者、独禁法違反や無許可業者との下請け契約による営業停止は14業者、労働安全衛生法違反などによる指示は4業者。勧告・文書指導は768業者が受けた。
最も多かった指導内容は見積もりに関するもので、641件だった。材料費・労務費を内訳明示していなかったり、見積条件を提示していない例が多かった。見積書の内訳明示は労務費確保の商慣行の第一歩目に当たり、26年度も重点的な調査の対象とする。
次いで多かったのが、価格転嫁ルールなど契約書に記載すべき事項の不備による指導で、516件だった。
法令違反の疑いがあるとして寄せられた情報は3558件。このうちホットライン経由は1946件だった。報告徴収や立ち入り検査は1318件行った。
提供:建通新聞社