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2026/06/11

全都道府県に才能育成拠点 若年層の理数系進学後押し

 文部科学省は6月10日、科学技術・学術審議会の人材委員会を開き、科学技術人材の確保・育成のために今後5年間で重点的に推進すべき基本政策を提示した。若年層の理数系分野への関心と能力を高め、大学の理数系分野の学科への入学者を増やすため、2027年度から小中学生・高校生を指導する育成拠点を全都道府県に整備するよう提言した。
 日本では、科学技術に対する高い素養を持つ学生は多いものの、大学の理数系分野の学科への入学者は全体の19%にとどまる。入学率が30%台のドイツや韓国と比べて低い。AIの活用などで、40年には理系人材が不足すると見られる中、文科省は小中学生と高校生に対して理数系の教育を強化すべきとしている。
 27年度に始める事業は、現在の「次世代科学技術チャレンジプログラム(STELLAプログラム)」を大きく刷新したもの。理数系に優れた意欲や能力を持つ児童・生徒を対象とし、大学や高専の教員・学生が理数教育や科学的な探究活動を実施する。
 STELLAプログラムは、23年から実施していたものの、実施場所が都市圏に偏っていたり、教員の熱意・ボランティアに頼っていたりする課題があった。小中学生は全都道府県、高校生は2都道府県ごとに1箇所の理数系分野の才能育成拠点を整備し、参画する大学や高専に人件費や設備費を補助する。
 また、先進的な理数系教育を実施する高校を支援するスーパーサイエンスハイスクール(SSH)事業も、27年度から発展・強化する。SSH事業の支援期間を最大26年から最大20年に短縮する代わりに、「加速支援」制度を新設。さらに、学校が目指す人材育成戦略などに応じて、事業を3類型に区分。一部類型への支援金を増額し、メリハリのある支援制度とする。
 小中学校・高校での通常の理数系教育も底上げする。理数系強化に対する興味・関心を高める取り組みを次期学習指導要領に盛り込む他、ネクストハイスクール構想に基づく高校教育改革も推進する。女子中高生を対象とする理系進路選択支援プログラムを拡充し、理数系分野への関心を早い段階で喚起する。
 この他、産学で活躍する技術者の育成・確保も進める。大学・大学院、高専の工学系教育を充実するため、実践教育の強化やカリキュラムの見直しを進める。技術士資格の取得を後押しするインセンティブも検討する。

提供:建通新聞社