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2011/05/17

港湾分野で津波対策を強化へ 国交省が港湾分科会防災部会の初会合

 国土交通省は東日本大震災を踏まえ、港湾分野での津波対策を強化する方針を固めた。交通政策審議会港湾分科会の下に新設した防災部会の初会合を16日に開き、1000年に1回程度発生する最大級の津波を考慮した防災施設(津波防波堤など)の設計が必要との観点から、港湾技術基準などを見直す方向性を確認した。6月中に「港湾における津波対策の総合的な方針」として中間報告をまとめる方針だ。
 東日本大震災に伴う津波は、防波堤や防潮堤などの設計で想定していた津波外力を大きく上回り、結果として沿岸部に甚大な被害をもたらした。このため国交省は防災部会を設け、大震災での防災施設の被災要因や防護効果を検証した上で、今後の防災対策を全国的な見地から再検討することにした。
 防災部会での検討項目は、▽東日本大震災を踏まえた津波外力の見直し▽防護対象の重要度に応じた津波外力の設定手法▽防護水準を超える津波に対する避難対策など総合的な津波対策の方針▽港湾特有の防災対策上の配慮事項―などを想定している。
 津波外力の見直しに当たっては、1000年に1回程度の巨大災害を考慮した設計の考え方を取り入れる。防災施設の要求性能のうち、安全性については「損傷の程度が施設として致命的とならず、人命の安全確保に重大な影響が生じない範囲にとどめる」こととする。修復性については「損傷の程度が、軽微な修復により短期間のうちに所要の機能が発揮できる範囲にとどめる」ことを求めていく方針だ。

提供:建通新聞社