トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2011/07/19

建設トップランナー倶楽部が東日本大震災をテーマにフォーラム

 建設業の新たな地域産業化を目指した経営者の集まりである建設トップランナー倶楽部(代表幹事・和田章日本建築学会会長、米田雅子慶応大特任教授)は15日、「東日本大震災〜現場からの証言〜」と題したフォーラムを、東京・三田の建築会館ホールで開いた。この中で、深松組(仙台市青葉区)の深松努社長は、自らが副会長を務める仙台建設業協会が、復旧事業の円滑な推進に大きな役割を果たしていることに触れた上で、「仮に5年後に震災が起こっていたら、今回のような対応はできなかったかもしれない」と、建設業界が疲弊し、事業者が減り続けている現状を危惧した。そして、「この問題は日本全体の話。いまの建設業者数で地域を守れるのか、発注者は真剣に考えて対策を進めてほしい」と訴えた。
 深松社長は、情報・通信が遮断した状況の震災当日から、仙台建設業協会の会員が道路の啓開作業に出動できたことについて、「机上ではなく、実際の防災訓練を行政と事前に実施していたため」と説明。協会が普段から、行政との防災訓練や打合せを綿密に行うとともに、各会員の点検エリアの設定や報告体制を確立しておくことが重要だと指摘した。
 また、震災廃棄物の処理に際し、行政の関係部局が道路・公園・環境の各課にまたがり、現場の作業が円滑に進まなかったエピソードを紹介し、行政・業界側とも窓口を一本化しておくことが有効だとした。
 併せて、被災地への重点配分を理由に、政府が2011年度の公共事業費の執行を5%留保していることに対し、「ただでさえ仕事がなく疲弊しているのに、全国各地の建設業協会の会員は事業が継続できるのか」と批判。早急な改善を求めた。
 フォーラムではこのほか、国土交通省東北地方整備局の川嶋直樹企画部長が、緊急随意契約により、地元建設業者が震災直後から復旧作業に尽力した事例や、盛土構造の道路が津波を食い止め、地域住民の避難場所になった事例などを紹介した。
 宮城県土木部の畠秀和事業管理課長は、復興に向けた最大の課題として財源の確保を提示。国に対し、使途の自由度が高く複数年度使用できる一括交付金の創設などを求めた。
 今回のフォーラムは、東日本大震災の被災地の建設業者や行政の取り組みについて関係者から話しを聞き、課題や対策を共有することがねらい。当日は、地域の建設業のネットワークによる支援事例の紹介や、「大震災の復旧計画と地域建設業の役割」をテーマにしたパネルディスカッションも行った。定員400人の会場は立ち見もでるほどだった。

提供:建通新聞社