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2012/04/17

直轄でがれき再生セメント使用に加点 国交省

 国土交通省は、東日本大震災で発生したがれきの処理を促進するため、がれきの焼却灰を原料としたセメント(再生セメント)を使用する企業を、直轄工事の総合評価方式で加点評価することを決めた。対象はコンクリートを主要工種に含む工事で、再生セメントを使用する場合に2点を与える。生コン会社など再生セメントの供給側の体制が整った地域から試行運用を始める方針だ。17日に開いた「災害廃棄物の処理の推進に関する関係閣僚会合」で、前田武志国交相が表明した。
 東日本大震災では、沿岸部を襲った大津波によって多くの構造物が破壊され、大量のがれきが取り残された。その規模は岩手・宮城の両県だけで2000万d以上に達するが、放射性物質の含有に対する懸念などから広域処理が進まず、最終処分率は低い水準にとどまっている。こうした現状を打開するため国交省は、がれき処理の促進に向けて直轄工事の入札契約で加点措置を講じることにした。
 加点措置の対象工事は、橋梁下部工やボックスカルバートなどコンクリートを主要工種に含む直轄工事(高度技術提案型は除く)とする。競争参加者は入札段階で、再生セメント使用の有無を技術資料提出時に明示する。工事受注者には契約段階で生コン会社の再生セメント使用証明書の提出を求める。実際に使用しなかった場合には工事成績評定点の減点などのペナルティーを科す。
 生コン会社には所管する経済産業省を通じて、▽再生セメントが震災廃棄物由来であることの確認▽放射性汚染に対する安全性などの確認▽合理的な価格での供給―などを求める。試行運用にあたっては、生コン会社などの再生セメントの供給状況を踏まえて適切に設定していく。
 国交省はこうした考え方に基づいて策定した運用手法を、地方整備局など(港湾空港、官庁営繕を含む)に17日付で通達した。
提供:建通新聞社