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2012/07/03

国が機動的に解散命令 厚生年金基金有識者会議

 厚生労働省の「厚生年金基金等の資産運用・財政運営に関する有識者会議」は、厚生年金基金の資産運用や財政運営などに関する最終報告書をまとめた。報告書では、厚生年金基金の「代行割れ問題」に対し、公的年金である代行部分の毀損(きそん)を防ぐという観点から、解散基準を緩和して厚労省が解散命令を機動的に発動することも必要などとした。
 厚生年金基金は、企業年金に加えて、厚生年金の一部を国が代行して運用。ただ、景気低迷による資産運用環境の悪化で、保有資産が最低責任準備金を下回る代行割れ基金が全体の4割以上に上っている。
 これまでも、特例解散制度で厚生年金保険本体への納付額の特例や分割納付などの措置が講じられてきた。しかし、母体企業の負担能力が低下している基金は、こうした措置を利用しても解散できない状況にある。
 このため報告書では、公的年金の代行部分の毀損(きそん)を防ぐことを目的に、財政健全化の見込みが立たない基金に解散を促すことも必要と指摘。現在の解散基準(代議員会の4分の3以上の議決など)を緩和し、一定の要件を下回った基金に機動的に解散命令を発動するよう求めた。
 倒産した事業所の返済資金に対する連帯債務の問題については、基金解散後も国と基金の間の債権・債権関係が続く現在の仕組みを見直し、解散時に各事業所の債務を確定できるようにすべきなどとした。
 資産運用規制については、分散投資の徹底を図ることを視野に、厚生年金基金が厚労省に運用の基本方針を届け出ることや、基金の運用実態を原則開示することを義務付ける。
 
提供:建通新聞社