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中央ニュース

2012/12/13

建設労働者不足「住宅供給の制約に」

 内閣府は毎週発表している「今週の指標」で、住宅着工戸数と建設労働者不足の相関関係を分析している。住宅着工戸数の伸び率が高い東北で建設労働者の過不足率が上昇していない一方、関東では過不足率が悪化しており「建設労働者が関東から東北に移動している」と指摘。大幅に賃金が上昇して労働者が集まりやすい東北と比べ、上昇が緩やかな他地域では建設労働者の不足が続き、今後の住宅供給の制約になることも懸念している。
 国土交通省がまとめている「住宅着工統計」と「建設労働需給状況」を基に分析した。住宅着工戸数が2011年8月以降、堅調に推移している反面、建設労働者の過不足率は1〜3%の状態が続いている。
 地域別の建設労働者の過不足率は、全国の各地域で高い水準にある。東北でも不足感は強いものの、最近6カ月の着工戸数が急激に上昇したことを踏まえると、不足率は上昇していない。今回の分析では、東北が「賃金の上昇などもあり、建設労働者が集まりやすい状況になっている」としている。一方、関東では、住宅着工戸数の水準と比較して過不足率が高まっており、東北の動向と合わせると「建設労働者が関東から東北へ移動している可能性が示唆される」とした。
 東北では、東日本大震災で被害を受けた住宅の再建という差し迫った事情があり、価格に転嫁しやすい状況があるため、大幅な賃金上昇が発生していると考えられる。一方、他地域ではこうした背景はなく「賃金上昇が緩やかで建設労働者が急激に増加することは期待し難い」とみて、労働者不足が全国的な住宅供給の制約となることを懸念している。

提供:建通新聞社