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2013/03/04

公共工事契約適正化へ3省が共同作業部会

 公共工事の契約を適正化するため、国土交通省・財務省・総務省が共同の作業部会を設け、具体策の検討に入ったことが分かった。予定価格や入札契約に絡むさまざまな課題について、運用で改善できる課題と、法改正が必要となる課題に整理し、対応の方向性を話し合う。閣法による公共調達新法の制定につながる可能性もある。2月28日の自民党・公共工事契約適正化委員会(野田毅委員長)で、国交省の佐々木基土地・建設産業局長が作業部会の設置を明らかにした。
 公共工事の入札契約をめぐっては、建設投資の減少に伴うダンピング受注の増加によって、建設業者の体力が失われ、将来にわたってインフラの品質を確保できるかどうかを懸念する声が出ている。こうした問題意識を踏まえ自民党の「公共工事品質確保に関する議員連盟」はことし1月、公共工事契約適正化委員会を新設し、公共調達新法の制定を目指すこととした。
 28日の委員会では、関係省庁が新法制定に向けた検討状況を報告。この中で国交省の佐々木局長は入札契約の現状について、「ダンピング受注によって、建設業者が職人や機械を手放し、施工力が低下している。また、発注者側も人材や体制が不足している」などと指摘した。
 その上で▽一定程度将来が見通せる安定的な投資▽適正価格による受注▽技術と経営に優れた業者の評価・選別と持続可能性の確保―の必要性に言及した。
 3省共同の作業部会は、これらの課題を整理し対応策を探る場となるもので、各省の課長級で構成する。佐々木局長は、「可能なものは運用などで迅速に対応し、そうでないものは法改正が必要となる」と委員会の場で述べた。
 今後のスケジュールについては、野田委員長が「法改正が必要なら、今国会で通せるようなタイミングで中身を詰めるべき。5月の連休前までにまとめてほしい」と訴えたため、4月中に一定の方向性が固まることになりそうだ。

提供:建通新聞社