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2013/06/11

法定福利費確保に理解を 民間発注者に要請 国交省 

 国土交通省は、技能労働者の社会保険加入に必要な法定福利費を含む適正な金額での契約締結を民間発注者に要請した。9月をめどに、下請け企業が法定福利費を内訳として明示した標準見積書を元請け企業に一斉に提出することから、適正価格による工事の発注と法定福利費相当額を適切に含んだ契約を結ぶよう理解を求めた。
 国交省、専門工事業団体、元請け団体は、建設技能労働者の社会保険未加入対策の一環で、各専門工事業団体が法定福利費を内訳として明示した標準見積書を作成し、9月をめどにこの標準見積書を各現場で一斉に活用する申し合わせを行った。国交省では、こうした動きに合わせ、民間工事の発注に関係する30団体に対し、7日付で通知文を発出した。
 通知では、法定福利費を内訳明示した標準見積書を9月から円滑に活用するためには、各企業の契約実態を踏まえると、数カ月前から発注者の配慮が不可欠になると指摘。今後、元請け団体が法定福利費を適正に含んだ契約を結ぶよう民間発注者に要請する予定もあり、国交省も、標準見積書の活用に配慮した契約を結ぶよう、民間発注者に求めた。
 また、通知では、建設業界全体としては総価方式が一般的であり、労務費や法定福利費が明確となっていないため、必要な賃金や法定福利費の適切な確保が進まず、就労環境が悪化し、人材確保や納期の順守に影響が生じていることを問題視。民間発注者に対して、法定福利費を含めた適正な積算に基づく予定価格を設定したり、必要以上の低価格による発注をできる限り避けるよう要請した。
 また、国交省では、労働需給が逼迫(ひっぱく)する中で、鉄筋工や型枠工などの技能者不足が全国に広がることを懸念。こうした影響で、施工の際に鉄筋工事や型枠工事が遅れれば、後工程の下請け企業に無理な工期を設定する恐れがあるとし、受注者と事前に十分な協議を行って適正な工期を設けるよう求めている。
 要請先の30団体は次の通り。
 ▽日本経済団体連合会▽日本商工会議所▽日本建築士会連合会▽日本建築士事務所協会連合会▽日本建築積算協会▽日本建築家協会▽建築設備技術者協会▽日本自動車工業会▽日本電機工業会▽石油化学工業協会▽石油連盟▽電気事業連合会▽日本ガス協会▽日本百貨店協会▽日本チェーンストア協会▽日本民営鉄道協会
 ▽不動産協会▽日本ビルヂング協会連合会▽全国宅地建物取引業協会連合会▽全国住宅産業協会▽全日本不動産協会▽全国住宅建設産業協会連合会▽マンション管理業協会▽不動産流通経営協会▽日本不動産鑑定士協会連合会▽不動産証券化協会▽大阪土地協会▽中部不動産協会▽住宅生産団体連合会▽生命保険協会▽日本損害保険協会

提供:建通新聞社