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2013/09/05

「建設業界の総力挙げ技術革新を」 国交省・足立技監

 国土交通省の足立敏之技監は建設専門紙記者会の就任インタビューに応じ、建設分野における技術革新について「行政だだけでなく、建設業界の総力を挙げて取り組むべき課題だ」との考えを示した。他分野に比べ、建設分野の技術革新が遅れているとの認識を示した上で「われわれもイノベーション(新機軸)を吸収しながら、世の中のスピード感に合わせて進歩しなくてはならない」などと述べた。
 足立技監は「例えば通信技術をみると、1890年に電話サービスが始まって以降、プッシュ式電話機、インターネット、スマートフォン、SNSなど、日進月歩で技術革新が進んでいる」とした上で「土木分野に翻れば、現在も50年以上前の伊勢湾台風後に造られた堤防で、名古屋のゼロメートル地帯が守られている」と技術革新の遅れを指摘。「(この堤防は)南海トラフ巨大地震などの巨大災害で破壊された後に造り直すのか、そんなことでいいのかと思っている」と問題提起し、技術開発をスピードアップする必要性を訴えた。
 南海トラフ巨大地震の発生が懸念される中部地方整備局や四国地方整備局の局長を務めた経験から、防災・減災対策にも注力する考え。インフラの老朽化対策についても「建設分野全体の運営に関わる問題として、大きな視点で捉えたい」との認識を示す。
 こうした問題意識の中で「かつてはものをつくる官庁だった国交省も、老朽化対策や維持管理を運営する官庁、さらには災害時の実動部隊となる防災官庁としての役割を強めなくてはならない」との考えを示した。

提供:建通新聞社