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中央ニュース

2013/09/27

標準見積書の一斉活用開始 社会保険加入促進へ第一歩

 国土交通省、元請け・専門工事業団体でつくる「社会保険未加入対策推進協議会」が26日に開かれ、参加者が法定福利費を内訳として明示する標準見積書を同日から一斉に活用する申し合わせを採択した。国交省の佐々木基土地・建設産業局長は推進協議会で「(標準見積書の活用が)ただちに全国津々浦々に広がって理想郷が描けるわけではないが、業界の努力で、必ず建設産業の未来が明るいものになると確信している」と述べ、この取り組みの意義を強調。未加入者の現場入場を認めないとしている2017年度まで3年半となり、今回の申し合わせで、国交省が進めてきた社会保険未加入対策は一つの節目を迎えたことになる。
 同推進協議会では、専門工事業団体が作成してきた標準見積書をベースに、各専門工事業者が法定福利費を内訳として明示した見積書を作成し、26日から一斉に元請けに提出することを申し合わせた。これにより、技能労働者が社会保険料を支払うための法定福利費を専門工事業者に確保してもらうのが狙いだ。
 申し合わせ文書では、標準見積書を活用した法定福利費の確保が、社会保険加入を進めるための「第一歩として重要」と位置付けた上で、この取り組みが元請け・下請け企業の利益目的ではなく「保険料本人負担分と合わせて、法律上必要な費用を(技能労働者に)流すだけに過ぎないという認識をあらためて共有する」としている。
 元請け企業の役割としては、社会保険加入に関する下請けへの指導を一層徹底するとともに、法定福利費を内訳明示した見積書の提出を呼び掛け、提出された見積を尊重すると記載。一方の下請け企業は、法定福利費を内訳明示した見積書を元請け企業に提出して算定根拠を適切に説明するとともに、自社・外注先の技能労働者を社会保険に加入させるよう積極的に取り組むとしている。
 推進協議会会長の蟹沢宏剛芝浦工業大学教授は今回の申し合わせについて「協議会が目指す技能労働者の就労環境改善、公正競争環境の適正化につながる大きな一歩を踏み出すことになる」と述べるとともに「本日より標準見積書の一斉活用を開始する」とあらためて参加者に確認。さらに、国交省に対しても「民間工事を含めた発注者に、この取り組みの必要性を訴えてほしい」と要請した。

提供:建通新聞社