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2013/10/09

太田国交相 被災地の労務単価 引き上げを見送り

 太田昭宏国土交通相は8日の閣議後に行った定例会見で、東日本大震災の被災地の公共工事設計労務単価について「現時点ではただちに引き上げる必要がある状況には至っていない」と現状の単価を維持する考えを示した。労務単価は、2013年度から入札不調の増加などに応じて機動的に単価を引き上げる措置を講じているが、被災地では一時期に比べ入札不調の発生率が低下していることから、この段階での単価引き上げを見送った。
 被災地では、2012年度に労働需給の逼迫などを要因に入札不調が増加。12年度の不調発生率は、宮城県で37%、仙台市で50%に至ったが、ことし8月時点では宮城県で22%、仙台市で34%と発生率の低下がみられた。
 太田国交相は「ことし3月末の労務単価の引き上げや発注ロットの拡大などの工夫で、昨年度に比べて発生率が下がっている」と述べた上で「いったん不調になっても再発注によってほぼ契約に至っている。積み残しはない」と入札不調の問題が改善に向かっているとの見方を示した。
 このことから、3カ月周期で見直すことができる労務単価を現時点で引き上げることについては否定。ただ、太田国交相は「予算の執行状況、事業の進ちょく状況、入札不調の状況、技能労働者の賃金の動向などをきめ細かく調査し、変動があれば引き上げることになる」とも話し、今後の状況変化を慎重に見極めた上で引き上げの是非を判断する考えを示した。

提供:建通新聞社