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中央ニュース

2014/05/15

国土強靭化で基本計画案 5月末に閣議決定 建設業の人材育成・確保を明記

 政府は14日、国土強靭(きょうじん)化を進めるための指針となる「国土強靭化基本計画案」をまとめた。大規模自然災害に対する国土の脆弱(ぜいじゃく)性評価を踏まえ、災害時にも機能不全に陥らない経済社会システムの確保を図る方向性を明記。個別分野として、建築物の耐震化、復旧・復興を担う建設業の人材確保・育成、代替・輸送ルートの早期確保、インフラの老朽化対策などを推進する方針を盛り込んだ。政府は5月末に基本計画を閣議決定し、基本計画の内容を2015年度予算の概算要求や政府全体の他の計画に反映させる。
 国土強靭化基本法で政府に策定を求めている基本計画は5年ごとに更新する。災害発生時の▽人命保護▽国家・社会機能の維持▽国民の財産・公共施設の被害最小化▽迅速な復旧・復興―を図るとともに、新規市場の創出や投資拡大による経済成長にも貢献する。地方自治体には、基本計画を指針とした地域計画の策定を求める。
 住宅・都市分野では、密集市街地の延焼防止などの大規模火災対策、住宅・建築物・学校の耐震化の目標が達成されるよう▽避難地・避難路の整備▽老朽化マンション等の建て替え▽建築物の耐震改修▽中古住宅の建物評価改善―などを進める。
 災害発生後の復旧・復興を担う建設業における技能労働者の高齢化などを問題視し、人材の確保・育成に向けた取り組みや環境づくりも進める。
 交通・物流分野では、大規模自然災害で分断されたり、機能が停止されることを前提に、リニア中央新幹線や新東名高速道路などの代替輸送ルートの早期整備を目指す。
 また、インフラの老朽化対策を重点的に進める方針も示し、政府が13年度に策定した「インフラ長寿命化基本計画」などに基づき、メンテナンスサイクルの早期構築を図るとした。インフラの管理と更新を担う技術者の育成、点検・診断に関する資格制度の確立などの体制整備も進める。

提供:建通新聞社