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2014/05/18

社保未加入排除で通知 国交省直轄工事 ペナルティに「制裁金」や指名停止 

 国土交通省は16日、直轄工事で始める社会保険未加入対策の強化に関する通知を地方整備局などに送付した。8月1日以降に入札公告する直轄工事について、社会保険に未加入の元請けと1次下請けを排除するとともに、2次以下の下請けに対しても加入指導を強化する。通知では、発注者と元請けとの契約後に、未加入の1次下請けとの契約が判明すると▽1次下請けとの契約額の10%の制裁金▽最長4カ月の指名停止▽最大20点の工事成績評定点の減点―のペナルティを科すとした。国の他省庁、独立行政法人、都道府県・政令市などの主な公共工事の発注者に対しても同日付で通知し、対策の強化を促した。
 直轄工事で始まる社会保険未加入企業の排除は、元請けと下請け代金の総額が3000万円以上(建築一式工事は4500万円以上)の1次下請けを対象に、企業単位での雇用保険・健康保険・厚生年金保険の加入の有無を問う。社会保険の適用除外となる個人事業主や一人親方などは加入義務がないため、排除や指導監督の対象としない。
 元請けは、経審総合評定値通知書で加入状況を確認し、未加入企業の入札参加は認めない。2015・16年度の競争参加資格審査からは、未加入企業の申請を受け付けないため、15年度以降、未加入の元請けは、競争参加資格者名簿に登録することもできなくなる。
 1次下請けに対しては、施工体制台帳で加入状況を確認する。特殊技術が求められる工事で、未加入の企業が特殊技術を持つケースなど「特別の事情」がある場合を除き、未加入の1次下請けとの契約を禁止する。「特別の事業」と認めても、一定期間内に保険に加入し、確認書類を提出することを求める。
 未加入の1次下請けとの契約が判明した元請けにはペナルティを与える。元請けと未加入の1次下請けとの契約額の10%を制裁金として請求することに加え、未加入企業との契約を「重大な契約違反」とみなし、2週間から4カ月間の指名停止にする。工事成績評定点も指名停止期間に応じて10〜20点減点する。
 2次以下の下請けの加入状況も施工体制台帳でチェックし、未加入企業は発注部局から建設業許可の担当部局に通報し、加入指導を行う。
 国交省は、中央公共工事契約制度運用連絡協議会(中央公契連)を通じ、中央公契連に加入する国の省庁や独立行政法人にも通知を参考として送付。都道府県・政令市にも同様に通知し、都道府県には管内の政令指定都市以外の市町村への周知も依頼した。地方自治体に対しては、今回の社会保険未加入対策の強化に関する意向調査を行う。


提供:建通新聞社