トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2014/05/30

改正品確法・建設業法・入契法が成立

 建設産業の中長期的な担い手の育成・確保を目指し、今通常国会で一体的に審議された改正公共工事品質確保促進法、改正建設業法、改正入札契約適正化法が、29日の衆院本会議で可決、成立した。改正品確法は、中長期的な担い手の育成・確保に配慮することを発注者責務と定め、全ての公共工事の発注者にこの責務の下で予定価格を適正に設定したり、多様な入札契約方式を活用することを求める。改正建設業法では建設業許可の業種区分を見直して「解体工事業」を新設、入契法では「ダンピング防止」を法律の柱に位置付け、行き過ぎた価格競争の是正を図る。
 議員立法の品確法は、価格のみで落札者を決めてきたそれまでの公共調達に、応札者の技術力も評価して落札者を決める総合評価方式を普及させ、個別工事の品質を確保する役割を担ってきた。
 改正品確法では、法律の基本理念や発注者の責務として「中長期的な担い手の育成・確保」に配慮することを明確化。公共工事の発注者に対し、個別工事の品質だけでなく、建設産業が正常に機能し、担い手を育成・確保できるよう配慮することで、入札契約などの発注関係事務を運用するよう求めた。
 具体的には、予定価格を不当に控除する「歩切り」が禁止され、受注者が「適正な利潤」を確保できるよう、市場価格を反映した労務・資材単価を使い、適正な予定価格を設定しなくてはならなくなる。最低制限価格・低入札価格調査基準価格の導入と改善、契約変更の円滑化、スライド条項の一層の活用などが進む効果も期待されている。
 工事の性格、地域の実情に応じ「多様な入札契約方式」の導入を求めたことも今回の改正の柱の一つ。技術提案で選定した参加者との交渉で予定価格を決める技術提案・交渉方式をはじめ、段階選抜方式、インフラの維持管理への複数年度契約・共同受注などの導入を促す。
 改正法は、都道府県や市町村などが改正法の趣旨に沿って発注関係事務を運用できるよう、国に発注者支援のための運用指針を策定することも求める。国土交通省は、地方自治体、学識経験者、建設業界などの意見を聞きながら、今夏にも運用指針をまとめる。
 改正建設業法は、1971年以来、43年ぶりに建設業許可の業種区分を見直し、解体工事業を新設する。業種の新設は改正法公布後2年以内に施行し、施行後3年の経過措置を設ける。経過措置期間中は、現行の「とび・土工工事業」の許可業者が解体工事を施工することを認める。国交省はこの間に解体工事業の技術者制度の創設と普及を急ぐ。
 改正入札契約適正化法は、法律の柱に「ダンピング防止」を追加。国交省は同法に基づく入札契約適正化指針を改定し、具体的な措置を規定する。また、これまで下請け契約の総額が3000万円以上(建築は4500万円以上)の公共工事に限っていた施工体制台帳の提出・作成義務の範囲を全ての公共工事に拡大する。

提供:建通新聞社