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2014/10/21

「営繕積算方式」で活用マニュアル 国交省

 国土交通省は、公共建築工事の積算に実勢価格や現場実態を反映させる「営繕積算方式」の活用マニュアルをまとめた。東日本大震災の被災3県で、地方自治体・建設業団体・設計団体向けの説明会を10月中に開き、同方式の浸透を図る。同方式は、実勢価格や現場実態との乖離(かいり)で生じる入札不調・不落を防ぐため、同省直轄の営繕工事で従来から行っている市場単価補正方式、工期連動型共通費積算方式などに加え、共通仮設費の施工条件を明示する「積算の見える化」をパッケージで導入するもの。
 公共建築工事の工事価格は、直接工事費(材料価格、複合単価、市場単価、見積単価)と共通費(共通仮設費、現場管理費、一般管理費)で構成。
 同省直轄の営繕工事では、直接工事費のうち、材料費・労務費・機械経費・下請け経費で構成する市場単価について、工事内容や施工条件に応じて補正する「市場単価補正方式」を採用。工期延長に連動して共通費を増額する「工期連動型共通費積算方式」も導入し、現場実態を考慮した適切な工期設定に努めている。
 マニュアルでは、直轄の営繕工事で導入しているこうした積算方法の内容を記載するとともに、被災3県の自治体に新たに導入を促す「積算の見える化」についても解説する。
 具体的には、これまで「一式」と記載してきた共通仮設費積上げ項目(仮囲い・交通誘導警備員・揚重機など)の施工条件や、工程に影響を及ぼす施工区分・手順などの施工条件を工事内訳書などに明示。施工条件をあらかじめ明示することで、現場で施工条件が異なった場合の精算変更を容易にする。
 国交省は10月中に被災3件で説明会を開き、営繕積算方式の普及を図るとともに、公共建築相談窓口で各自治体からの相談にも応じる方針だ。

提供:建通新聞社