トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2014/11/20

経済対策 公共事業は災害対応中心

 安倍晋三首相が消費増税の先延ばしと解散総選挙に踏み切ると同時に、新たな経済対策の策定を全閣僚に指示したことを受け、各省庁は経済対策の裏付けとなる補正予算の編成作業を本格化させる。経済対策は、消費の持ち直しを重視する方針が示されており、公共事業は災害復旧や復興加速化などに絞り込まれる見通し。4月の消費税率引き上げで落ち込んだ住宅投資の回復を狙い、住宅金融支援機構の「フラット35S」の金利引き下げ、「住宅エコポイント制度」の再開などが検討されている。
 18日に会見した安倍首相は、7〜9月期のGDP1次速報値の落ち込みを踏まえ、消費税率10%への引き上げを18カ月先延ばしにするとともに、21日に衆院を解散し、12月14日投開票の日程で総選挙を行うことを表明した。併せて▽円安・エネルギー価格高騰対策、住宅市場活性化など▽地方創生の先行実施▽災害復旧、復興加速化―の3点に重点を置いた経済対策の策定を指示した。
 全体規模2〜3兆円とみられている経済対策で、公共事業費は災害復旧や復興加速化に絞り込まれる。18日の経済財政諮問会議終了後の会見で、甘利明経済財政相は、今回の経済対策について「基本的に公共事業よりも消費の落ち込み、地方経済の疲弊に焦点を絞って策を打てという指示があった。従来型とは少し違う」と述べた。
 国土交通省が検討する主な対策には、住宅市場の活性化を狙った「フラット35S」の金利引き下げ、リフォーム工事などにも適用できる住宅エコポイント制度の再開、高速道路の料金割引などが挙がっている。公共事業費では、広島市の土砂災害などで被害を受けた公共土木施設の災害復旧、近年被害を受けた地域などにおける水害・土砂災害対策といった、災害復旧や事前防災対策が中心になる。
 政府は、経済対策を年内の早い時期に策定し、年明けに開会する通常国会冒頭で補正予算を成立させる考えだ。

提供:建通新聞社