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2015/06/05

JAPIC 次世代林業システムへ提言

 集約化を根本から推進、五感を通して木の良さ再発見―。日本プロジェクト産業協議会(JAPIC)の森林再生事業化委員会(米田雅子委員長)は4日、次世代林業システムの実現に向けた政策提言をまとめ、国土交通省の徳山日出男技監、林野庁の今井敏長官らに手渡した。施業の集約化、専門組織の構築、木の良さを伝える運動への支援措置などを求めた。
 同委員会は、産業界を挙げた「次世代林業システム」の実現を目指す活動を展開している。政策提言はその一環で、▽次世代林業モデルの実現▽集約化を根本から推進▽木材搬出の増大とバランスの取れたバイオマス利用▽木の良さ再発見―の4項目を徳山技監らに伝えた。
 このうち、集約化の推進は、放置森林の存在や所有者の不明・無関心が森林・林業の活性化を阻んでいるとして提言したもの。具体的には、森林所有者の探索、譲渡希望者と購入希望者のマッチングなどを担う専門組織の構築を求めている。意欲的な担い手による森林施業の展開が狙いだ。
 木の良さの再発見に向けては、「健康・癒し効果」「知的生産性の向上」など、科学的分析による定量化研究を促進し、国民への普及・啓発を行うもの。さらに、木の良さを実感できる体験型施設の整備、森林整備による山・低地の防災を進めるべきとした。
 このほか、木材搬出の増大とバランスの取れたバイオマス利用では、全木集材に向けた機械利用と人材育成を提言。エネルギーとして利用する林地残材、C材・D材の集材が不可欠とした上で、高性能林業機械などを操作する人材育成の必要性を強調している。
 米田委員長は「森林再生は国土再生そのもの。官民連携で取り組みを進める」とし、提言内容の早期実現に意欲を見せた。

提供:建通新聞社