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中央ニュース

2015/09/30

労務費調査 棄却率改善を呼び掛け

 国土交通省は、提出書類の不備などで毎年3割程度が無効になる公共事業労務費調査の棄却率改善に向け、28日付で正確な調査票の記載や根拠資料の添付を依頼する事務連絡を建設業団体約60団体に送付した。調査の対象工事約1万3000件の元請け・下請けを地域ごとに集めた説明会も10月中旬まで開かれており、同省はこの説明会でも11月の会場審査における根拠資料(賃金台帳、就業規則など)の準備を呼び掛ける。
 公共工事設計労務単価を算定する際の基礎となる労務費調査では、国・都道府県・政令市・独立行政法人の発注者が調査対象となる公共工事を選定し、予定価格の積算に使用する51職種の現場労働者の10月の賃金(一部9月の賃金も対象)を調査する。
 15年度の調査では、対象工事として約1万3000件が無作為で抽出され、現場に従事する約16万人の賃金を調べる。調査対象の工事を受注している元請け・下請けは、11月に地方整備局や県庁に設置される調査会場で、事前に記入した調査票とともに、賃金台帳・就業規則、振込明細、作業日報・出勤簿などの根拠資料の提出が求められる。
 ただ、例年の調査ではこれらの提出書類の不備で、調査が無効になるケースが全体の3割強で発生している。国交省は、調査対象に選ばれた企業を対象に9月17日から説明会を開き、棄却率の改善を訴えている。これに加え28日には、元請け・専門工事業関連の建設業団体に事務連絡を送付し、会員企業への周知を求めた。
 昨年度に調査票が棄却された主な理由としては「所定労働時間が法定の週40時間以内であることが確認できない」(22%)、「調査票記入事項の根拠資料(就業規則、賃金台帳など)がない」(9%)が多く、国交省は調査対象の企業に注意を喚起している。
 来年度の労務単価は、労務費調査の集計を経て16年3月までに決定・公表される見込みだ。

提供:建通新聞社