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2015/11/25

交付金 事業評価の要件化も 財政審建議 

 財務省の財政制度等審議会(会長・吉川洋東京大学大学院教授)は24日、2016年度予算編成に関する建議を麻生太郎財務相に提出した。建議では、地方自治体に自由度の高い公共事業費を配分する「社会資本整備総合交付金」や「防災・安全交付金」の見直しを提言。現行の交付金では求められていない事業評価を一定規模以上の事業に導入するなど、地方の公共事業費をより精査して事業化することを求めた。
 社会資本整備総合交付金は国土交通省が所管する個別補助金を一括する形で10年度に、防災・安全交付金は老朽化対策や事前防災・減災対策を集中的に支援する交付金として12年度に創設された。
 財政審の建議では、この交付金から予算配分を受ける事業が、費用便益分析(B/C)などの事業評価の対象から除外されていることを問題視。交付金創設前の個別補助金では、事業評価の対象となっていた交付対象も多いため、事業規模などで区切った上で事業評価を交付の要件とすることを求めた。交付金の配分を受けても契約を結ばず、次年度に予算を繰り越している事業も少なくないと指摘し、執行の実態を次年度の要望額に反映することも提案した。
 また、建議では、国交省直轄事業の新規採択時評価におけるB/Cが「すう勢として横ばいないし低下傾向にある」などと指摘。既存ストックの維持管理・更新費用が増加する中で、新規投資を一層絞り込む必要性を訴えている。
 建設業の担い手不足をめぐっては、各産業で担い手が不足する中で「建設業のみが供給制約を逃れられるとは考えにくい」と前置きし「一層の生産性の向上や十分な新規入職者の確保が図られなければ、公共投資の供給制約になりかねない」と昨年度の建議に続いて問題提起した。
 財政審は、毎年度の予算編成が大詰めを迎えるこの時期に社会保障、地方財政、教育、公共事業など予算負担が大きい分野ごとに課題をまとめ、財務相に建議している。

提供:建通新聞社