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2015/12/02

技士会連合会 現場技術者アンケート

 書類簡素化はあまり進んでおらず、また、説明不足による1カ月以上の工事遅れも―。国などの見直し改善策にもかかわらず、技術者が依然として厳しい現場環境に置かれていることが全国土木施工管理技士会連合会(JCM、谷口博昭会長)のアンケートで分かった。
 アンケートには技士会会員のうち1590人の他、CPDS加入者で土木施工管理技士資格者のうち913人が回答。
 前回調査(2012年度)で改善傾向が確認された提出書類の簡素化だが、「このままで良い」と回答した技術者が大幅に減少するなど、現場技術者はさらなる改善を求めている。何に使う書類が多いかの質問に対しては、国の場合、仕様書にあるか否かを問わず、設計変更に伴う書類作成が相変わらず多いという。簡素化に向けて最も望まれているのは、「照査範囲を明確にして範囲以外の書類を提出しないようにする」だ。
 工事施工の中で、発注者側の不備を感じ、早期の改善・努力を求める点では、「現場条件変更に伴う設計変更などの適切な実施」と「工事の事前地元説明・折衝」が多くの回答を得ている。設計変更の原因で最も多かったのは国の場合、「設計図書と実際の現場が一致しない」こと。解決策としては、「変更図面を詳細設計コンサルタントが作成する」が最も多かった。
 事前地元説明・折衝では、「地元住民への説明」と「支障物件にかかわる自治体などとの協議」が不足しているとの意見が多くを占めた。こうした説明不足による工事の遅れは、半数超が1カ月程度以上だという。
 設計変更ガイドラインを「知っていて活用している」のは約2割にとどまる。受発注者ともに周知徹底する必要があるようだ。設計変更審査会についても「知っていて活用している」は約1割のみ。「会議資料を施工会社が作成する場合が多く、時間と負担が大きい」「施工会社の意見が通らない」などの声が寄せられた。
 この他、情報共有システムについては、約3割が「知っていて活用している」と回答。改善意見としては、「システムの操作性や電子化の不慣れ」「決裁、承認が遅いので持参する方が早い」「紙との二重提出」などの意見が多かった。
 JCMでは今回の調査結果を踏まえた要望内容をまとめ、国土交通省に改善を求めている。

提供:建通新聞社