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2015/12/24

東北・上越新幹線 大規模改修に1兆円

 国土交通省は22日、東北新幹線(東京〜盛岡)、上越新幹線(大宮〜新潟)、山陽新幹線(新大阪〜博多)の土木構造物の大規模改修を行う必要性が認められたとして、JR東日本とJR西日本に大規模改修引当金の積み立てを開始するよう指示した。大規模改修費には、東北・上越新幹線で総額1兆円、山陽新幹線で1500億円が必要になると見込んでいる。国交省は両社に半年以内に積立計画を提出させ、この計画の中で工事費や工事期間を確定させる。
 東北・上越新幹線は開業から33年、山陽新幹線は43年を迎えた。現時点で土木構造物(橋梁、トンネル、土工)の健全度は保たれているが、経年や列車の高速走行の影響で将来的に劣化が進むことが予想されており、JR東日本、JR西日本の両社は、大規模改修に必要な額を東北・上越新幹線で総額1兆円、山陽新幹線で1500億円と見積もっている。
 ただ、JR東日本の05年度〜14年度の平均経常利益は約2400億円で推移しているものの、約3兆4000億円の長期債務がある。JR西日本は平均経常利益が約700億円、長期債務は約1兆円で、利益に対する長期債務の割合は依然として大きく、改修費の調達がリスクを伴う懸念がある。
 国交省は、安定的な輸送を確保するためには大規模改修費引当金をあらかじめ積み立てることが適当と判断、全国新幹線鉄道整備法(全幹法)に基づき、大規模改修引当金を積み立てるよう指示した。両社は6カ月以内に積立計画を提出し、国交相の承認を受ける必要がある。計画の承認によって、工事費、工事期間、積立額、積立期間が確定することになる。
 新幹線の大規模改修をめぐり、国交省は02年度、JR東海に対して東海道新幹線の大規模改修引当金を積み立てるよう指示。JR東海は、工事費約7300億円に上る大規模改修に13年度から着手している。

提供:建通新聞社