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2016/09/09

技術提案評価型S型 35・8%で「1位同点」

 国土技術政策総合研究所は、国土交通省直轄工事における総合評価方式の実施状況(2015年度、速報版)をまとめた。これによると、技術提案評価型S型のWTO対象工事で、10年度以降減少傾向にあった1工事当たりの競争参加者数が増加に転じた他、技術評価点の1位同点者が2者以上になるケースが全体の35・8%で発生した。
 施工能力の評価と技術提案の評価への二極化から3年目を迎えた15年度は、全工事の99・6%に当たる7214件に総合評価が適用された。
 総合評価のタイプ別では、企業と技術者を評価する「施工能力評価型U型」を4837件(67・1%)、技術提案・施工計画の提出を求める「施工能力評価型T型」を1786件(24・8%)、「技術提案評価型S型」を561件(7・8%)に適用。高度な技術提案を求める「技術提案評価型A型」の実績は2件だった。
 このうち、技術提案評価型S型(WTO適用)の1工事当たりの競争参加者数(平均)は、08年度の10・8者から10年度には20・9者へと倍増。その後、競争参加者数は減少傾向にあったものの、15年度は前年度から1・8者増の16・9者と5年ぶりに増加に転じた。競争参加者数の全タイプの平均は7・3者で、S型は他のタイプと比べても、突出して参加者数が多い傾向が出ている。
 また、S型のWTO適用工事では、技術評価点の1位同点者が他タイプよりも多くなる傾向がみられる。全タイプでは1位同点者が2者以上になった工事は6%だったが、技術提案評価型S型は35・8%。このうち、1位同点者が4者以上になった工事も10・2%あったという。
 S型では、落札者と非落札者の技術評価点の差が年々縮小していることから、国交省は技術提案の評価テーマの設定方法を見直すなど、得点差が生じやすい方向へと改善する方針を打ち出している。
提供/建通新聞社