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2017/01/12

中小河川の治水対策強化 関連4法改正を検討

 国土交通省は、昨夏の北海道・東北地方における台風被害を踏まえ、中小河川の治水対策を強化するため、河川法など関連4法の改正を検討している。昨夏の台風被害が中小河川でも整備水準の低い、都道府県管理区間に被害をもたらしたことから、法改正により、ダム再開発や災害復旧工事を国や水資源機構が代行する制度を創設する。市町村から水防活動を受託する建設業者に一定の権限を与え、発災時に円滑な水防活動ができる体制も整える。
 1月11日、社会資本整備審議会河川分科会の小池俊雄分科会長が「大規模氾濫に対する減災のための治水対策検討小委員会」の答申を石井啓一国交相に提出した。この答申を踏まえ、国交省は次期通常国会に河川法・水防法・水資源機構法・土砂法の関連4法の改正案を一体で提出する考えだ。
 「中小河川等における水防災意識社会の再構築」を求める河川分科会の答申では、上下流のバランスや財政制約から整備が遅れている中小河川の安全度向上を提言。本川上流や支川の上流部で河川改修を進めるに当たり、ダムや遊水池などの洪水調節施設の機能向上、下流河川の整備と合わせた操作規則の見直しなど、既存ストックを最大限に活用した下流負荷軽減対策を実施するよう求めた。
 この際、河川法と水資源機構法の改正により、都道府県が管理するダム再開発など技術的に難易度の高い工事を国・水資源機構が代行できる制度を創設。被災後の災害復旧工事でも、早期の復旧・復興が可能となるよう、国などが工事を代行できる制度を整える。
 答申では、水防管理団体である市町村や水防団の人員が限られる中、災害発生時の土のう積み、河川の状況把握、避難誘導などの水防体制を確保することも提言。
 既に一部の市町村では水防活動を建設業者に委託するケースもあるが、水防法上、災害発生時の建設業者の活動には制限がある。国交省は水防法改正により、水防活動を受託する建設業者の権限を強化。円滑に水防活動を実施できる仕組みを構築する方針だ。
 また、関連4法の改正に合わせ、国交省は16年度中に都道府県への支援策などを盛り込んだアクションプランをまとめる考えでいる。

提供:建通新聞社