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2017/01/30

工事工程の共有 全直轄土木で原則化

 国土交通省は、全体工程を左右する「クリティカルパス」を受発注者間で共有することをルール化する。2017年度から、港湾・空港関係を除く全ての直轄土木工事を対象に、受発注者が施工当初の段階でクリティカルパスを含む工事工程を施工計画書で共有することを原則化。工期が遅れた場合の受発注者の責任も明確にし、発注者に責任のある事象で工程に遅れが生じた場合、発注者が必ず工期変更に応じることにする。
 クリティカルパスなどの工事工程を受発注者で共有する取り組みは、日本建設業連合会(日建連、中村満義会長)の要望を受けて14年度から直轄工事で試行してきた。
 試行した20件の受発注者からは「盛土材の搬入計画がクリティカルパスに影響することを受発注者双方で共有し、施工の課題や責任分担を明確化できた」「関連工事との工程調整により、現場打ち函渠工で予定通り施工できないことが分かり、プレキャスト製品に変更して全体工程への影響を抑えた」といった声が挙がるなど、工程管理に効果があることを確認した。
 具体的な共有の流れは、まず、特記仕様書で条件明示された発注者側の対応(支障物件移設など)も含めて受注者が工程を組み、施工計画書を作成。この施工計画書で、全体工程に影響するクリティカルパスや、関連する未解決の課題の対応者と対応の時期を受発注者で明確化し、共有する。
 これにより、受発注者間で責任が明確になるため、施工段階で受注者に責任のない理由で工程に遅れが生ずれば、その日数に合わせて工期を延長することを発注者に求める。施工の初期段階で全体工程にわたる受発注者間の責任を明確にし、適切な設計変更につなげる。
 同省は、近く地方整備局などに通知し、17年度から全ての直轄土木工事でこうした取り組みを実施するよう指示する。

提供:建通新聞社