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中央ニュース

2017/03/09

ICT土工の現場支援 自治体、中小建設業に普及拡大

 国土交通省は、ICT土工の裾野を中小建設業者に拡大するため、2017年度に地方自治体の発注工事で現場支援型モデル事業を実施する。国交省が費用を負担し、自治体が発注したモデル工事の現場にICT施工の専門家を派遣。中小建設業者だけでなく、監督検査を行う自治体職員にもICT土工の効果やノウハウを伝える。各地方整備局で1件以上のモデル工事を選定する見込みだ。
 ICT土工は、既に直轄工事で506件(2月20日時点)が稼働しているものの、自治体発注工事での稼働件数は44件(2月28日時点)にとどまっている。
 同省が行った都道府県・政令市へのヒアリングでは「小規模な土工、都市部での工事が多くICT土工のメリットが見えにくい」「監督・検査・積算などの基準類に分からないことが多すぎる」などと、発注者側の理解が進んでいない現状も明らかになっている。
 国交省では、建設業全体の生産性を向上させるためには、ICT土工を発注し、現場を監督する自治体職員の理解が不可欠とみている。一方、受注者であり、初期投資の負担が生じる中小建設業に生産性向上や工期短縮など、ICT土工の効果を伝えることも求められる。
 現場支援型モデル事業は、ICT土工の発注者である自治体と受注者である中小建設業者を対象に実施。既に16年度から静岡県と茨城県で先行してモデル事業を行っており、17年度はこの2県を含め、各地整1件以上の支援対象を選ぶ。
 支援対象の自治体は、ICT土工のモデル工事を発注するとともに、建設業団体などが参加した支援協議会を設置する。国交省の費用負担で専門家をこの協議会に派遣し、モデル工事の内容に応じたICT建機の選定、ソフトウエアの操作、データ作成などを支援する。ソフトウエアの賃料の一部も国交省が負担する。
 モデル工事の現場は見学会を開くなど、積極的に地域の中小建設業者に開放する。モデル事業の成果は事例集として全国に水平展開する。

提供:建通新聞社